夫婦間の偏る負担や退職率…一体なぜ?
NPO法人「キーデザイン」の調査によると、子どもが不登校になった母親の約20%、5人に1人が退職を余儀なくされていることがわかった。父親は0.74%にとどまり、約30倍の差がある。不登校対応の負担が、母親に著しく集中していることを示している。
番組でハレバレンサーを務める、東京大学IncluDE准教授の中野円佳氏が行った、不登校児を持つ1286人の親を対象とした調査では、「配偶者よりも付き添いや食事の準備などをしていると感じるか」という問いに対し、母親の約80%が「そう思う」と回答した。一方で、父親も50%超が「そう思う」と答えている。
回答した父親はもともと当事者意識が高い層でありつつも、双方が「自分の方がやっている」と感じることが夫婦間のすれ違いを生む背景にあるという。
「普通の家事や育児の分担と同じで、相手がやっている部分はなかなか見えにくい。さらに不登校の場合は、一方が『大したことない』とどーんと構え、もう一方が『何かしなきゃ』とキリキリ焦るなど、夫婦間で方針が違うこともある。夫婦のバランスをとるのは非常に難しいところ」(中野円佳氏、以下同)
さらに中野氏は、不登校の状態によって親に求められる役割が多様に変化し、それが負担感に直結すると説明する。
「実は、全く学校に行かない子の方が親の負担が少ないこともある。行ける日もある状態だと、『今日はどうするのか』と毎朝悩み、送迎が必要になるなど、状態によって親の役割が大きく変わってくる。学校とのやり取りに加え、カウンセラーや通院、家での学習支援、昼食の準備なども必要だ。場合によっては、自傷行為の懸念から目を離せない場合もあり、負担の度合いは多様でケースバイケースだ」
こうした多様なケアの負担が、なぜ母親に偏りがちなのだろうか。中野氏は日本の働き方の構造的な問題を挙げた。
「今の日本は父親がフルタイムで働き、母親の方が初めから柔軟な勤務体系にしているカップルが多く、母親が家でケアをする側になりがち。調査中ではあるが、メンタルケアや日々のコミュニケーションはお母さんが担い、卒業後の進路や高校の説明会などにはお父さんも関わる、といった傾向も見られる」
(『わたしとニュース』より)
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