
記録的な長雨と日照不足で、葉物を中心に野菜が高騰しています。都内のスーパーでは、ハクサイが1玉1000円を超えている所もあります。
客困惑「鍋できない」
安さがウリの都内のスーパー。8日、青果売り場では…。
買い物客(70代)
「ヒィー。知らない間にこんなに高くなっちゃった。さんよう(スーパー)さんは本当は安いんだよね。びっくり!」
買い物客(70代)
「こういう値段は私初めて見ました。今までにない」
お客さんたちが驚いていたのはハクサイの値段。なんと1玉税込み1188円です。
4分の1にカットしたものは297円。このスーパーの例年の価格と比べると3倍から4倍の値段です。
これから始まる鍋のシーズンに欠かせない食材・ハクサイ。それが先月の記録的な長雨の影響で値段が急騰しているのです。
買い物に来た夫婦(30代)
「どうします?」
「どうしましょう」
「ハクサイなしかな。もうモヤシしか入れられないね」
「きつい。鍋にハクサイなしはきつい」
買い物客(70代)
「びっくりよ。なんでこんなになるの?」
「(Q.鍋の季節ですが?)お鍋なんかやらないもん!ハクサイなんか入れなくたっていい!」
葉物野菜は軒並み高騰
そんな中、今夜はキムチ鍋という人は…。
買い物客(50代)
「お肉の値段じゃないですか。これはお肉ですね。ダメです、これは」
「じゃあハクサイはやめましょう」
そこで選んだのがキャベツ。しかし、キャベツも高騰中。1玉で税込み430円。例年の倍の値段です。
買い物客(50代)
「(キャベツも)安くはないですね。ハクサイは鍋だと溶けてしまうけど、キャベツはしっかり残ってくれるので、食べ応えがあります」
他にもレタスは例年の1.7倍。小松菜は3倍と葉物野菜は軒並み高騰しています。
生鮮市場さんよう 新妻洋三社長
「(葉物野菜は)3割は高い。3割から5割」
「(ハクサイは)1週間くらい前から200円~300円高くなって、今1100円とかになっている」
「(この値段は)あと1カ月ですね」
「(Q.1カ月は1000円が続く?)それより下がるかもしれない。分からない」
仕入れ値3倍 キムチ店危機
ハクサイ高騰の影響はキムチ専門店にも出ていました。
キムチの製造・販売
キムチデポン
大沢仁貴店主
「これは塩漬けしてですね。樽におさめて、それで重しを載せている状態」
作っていたのはハクサイキムチ。主に焼肉店や韓国料理店などへ卸すものだといいます。
「(Q.1日にどれぐらいのハクサイを使う?)キロ数で言うと、大体330キロぐらい。180玉ぐらいは漬けると思いますよ。毎日平均このくらいやっています」
キムチ全体のうち7割がハクサイキムチだといいます。仕入れ値に大きな影響が出ています。
「(ハクサイの)仕入れ値が3倍ぐらい上がっている。(1カ月あたり)200万円ぐらい違ってくるんじゃないですか。とんでもない状態ですよね」
「(Q.痛いですか?)痛いどころじゃなくて、経営を考えなくちゃいけない」
さらに通年で質の良いキムチを作るため、季節によって産地を切り替えていましたが…。
「5、6月から9月暮れぐらいまでは長野。冬の間は茨城」
「(仕入れ業者から)今、茨城の状態が非常にひどい状態だと聞いているので、そこでストップしている状態」
「今は品物(ハクサイ)がない。とにかくかき集めてもらっている状況です」
白菜植え付け 1カ月遅れ
入荷がストップしているという茨城県産。茨城県の農家を訪ねてみました。
常陸農園 和田昇代表
「当初はここにハクサイを植えようと思っていたんですけど、10月に入ってもまだ畑が耕せない」
ハクサイを植えるはずだったという畑は手つかずの状況。その原因は長く続いた9月の雨です。
「1カ月くらいずっと雨が降っている状況。雨がない日がなかった。毎日、雨が降っていた」
長く降り続いた雨で、畑には今も水がたまっています。
本来であれば9月にハクサイの苗を植えるはずでしたが、畑がぬかるみ耕すことができないといいます。
なんとかトラクターで耕すことができたという畑も…。
「(例年)9月20日くらいには定植(植え付け)が終わっている。本来であれば、ここもハクサイが埋まっているような状況」
「(畑に)水分を含んでいるので、土がゴロゴロしている」
雨により硬くなった土では、ハクサイの苗を植えても根が張りにくいといいます。
「(水分が抜けて)土がサラサラにならないと植えられない。この状態で植えても、根付くまでにさらに時間がかかる」
植え付け開始の畑も
一方で、植え付けまでこぎつけた畑もあります。
「今、ハクサイを植えているところです」
この畑では2日前からハクサイの植え付けを始めることができたといいます。しかし…。
「本来であれば、9月中に植え終わっていないといけない。もう半月遅れてしまっている状況」
「12月から収穫が始まるんですけど、場合によっては収穫に間に合わない」
去年10月のハクサイ畑の様子を見ると、土が見えないほど葉っぱが大きくなっていますが、8日に作付けしたばかりのハクサイの苗と比べると、畑の状況は全く違っています。
「12月に入ってからは(ハクサイは)成長しないので、場合によっては商品にならず、潰してしまう可能性がある」
「(ハクサイの成長が)間に合わないと廃棄せざるをえない」
ネギやナスにも長雨の影響
長雨の影響は他の野菜にも出ています。
「ここがネギの畑なんですけど、ない」
植えられていたネギは、ほとんど原型を残していません。
「1カ月、水につかった状態だったので、全部枯れてしまった。溶けてなくなっちゃっている」
さらに、今が収穫期だという秋ナスも…。
「病気ですよね、長雨で。完全に腐っちゃってます」
ナスの中には変色したものや、栄養が行き届かずに傷んでしまっているものもありました。
「畑全体の約6割がまだ水が抜けきっていない」
「野菜全体で約3~4割(の収穫量)が昨年より減少している」
「2000万円~3000万円ぐらいの収入がなくなってしまう状況」
「一生懸命育ててきた野菜がダメになってしまうのは悲しい」
焼き芋ピンチ 千葉で水没
長雨の影響は秋の味覚にも出ています。
甘く、ホクホクに焼き上がった焼き芋。このサツマイモの産出額で全国トップクラスなのが、今年、度重なる大雨被害に遭った千葉県です。
台風25号の影響で千葉県内のサツマイモ農家では、収穫目前のサツマイモが水につかる事態になっていました。
サツマイモ農家
アースロコファーマーズ
蒔田竜一郎さん
「つるが1回見えなくなるぐらい水がつかっていたので、悲しさと、なんかいろいろ言葉が出なかったですね。大体4万本ぐらい植えていて、3割から4割はダメじゃないかな」
東京・大田区にある青果店では、すでにサツマイモ不足の影響が出ていました。
八百清 越伸吾店主
「今だったら、焼き芋もやっている期間なんですけど、イモがなくて、全然、焼き芋ができないような状態で。いつできるかも未定の状態ですね」
多い日には一日90本売り上げることもあったという看板商品の焼き芋。いつ再開するのかという問い合わせも後を絶たないといいます。
「うちの一日の売り上げの3割から4割を占めていたので、本当にお客様がみんな喜んでくれるので、こっちとしても早く再開できるように何とかしたい」
(2026年10月9日放送分より)
この記事の画像一覧
