■得票結果に対する「意趣返し」と、政治家と支援者を取り巻く構造的問題
発言の判明から1週間が経過し、対応が先延ばしになっている現状について、伊藤氏は「問題が長期化すればするほど大きくなっていくのはどの問題でもそうだ。実際に国会の論戦が始まって、野党からの追及も始まっている」と言及。その上で、今回の問題が孕む本質的な課題について、選挙目線から2つの問題があると指摘した。
1つ目は、選挙結果に対する認識の歪みだ。簗大臣は衆院比例代表北関東ブロックでの当選であり、当選には発言の対象となった那須烏山市、那珂川町の得票数も関わっている。流出した音声データからは「この2つの自治体の得票割合が少なかった」という主旨の発言が聞き取れる。ただ、その自治体から1票も入らなかったわけではない。実際に調べたところ、那須烏山市では2760票、那珂川町でも2481票が簗大臣に寄せられている」と具体的な数値を提示。「選挙ではいろいろな戦いがあるが、こうした発言を選挙の意趣返しのような形で口にしてしまうことには、やはり内容に問題があった」と強く批判した。
2つ目は、政治家と支援者を取り巻く構造的な問題だ。今回の不適切発言は、支援者が集まる内々の支部の会合で発せられたものとされる。単なる「リップサービス」のつもりだった可能性もあるが、「こうした発言を内々の会合でも言ってしまい、それがリップサービスになる。それに対して反応をするという、この政治家と支援者の関係性自体もまた問題だ」と語る。
こうした身内のやり取りが許容される歪んだ関係性こそが、国民の政治不信を招いている根源であると説く。「このあたりは今までの日本政治の関心が低まっていること、日本政治に対して不信が高まっていることの背景だと思う。今の投票率が低い中で、皆さんが投票しない中で、こうした政治家のおごりや、身勝手な見方が蔓延してしまう空気感を作っている。この構造自体を、我々国民みんなで考えていかなきゃいけない問題だ」と述べ、国民一人ひとりが政治への監視の目を強める重要性を訴えた。
(『わたしとニュース』より)
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