秋の行楽地に“3つの難題” 紅葉名所「神の絨毯」に救急ヘリ 緊迫の一部始終

秋の行楽地に“3つの難題” 紅葉名所「神の絨毯」に救急ヘリ 緊迫の一部始終

秋晴れとなった10日。秋色に染まった行楽地はにぎわいを見せました。そうした中、命を落とすリスクが高まるのが秋山登山です。対策の“最前線”で見えてきたのは、この季節ならではの落とし穴でした。(サタデーステーション10月10日OA)

“秋の風物詩” 4万本のコキア見ごろに

来園客
「なんか見晴らしがいい」

来園客
「赤と緑のグラデーションがとってもきれいです」

大人も子供も、心を奪われていたのが、見ごろを迎えた約4万本のコキアです。

報告・荒川三冬ディレクター(茨城・ひたちなか市 午前11時ごろ)
「頂上からコキアを見ようと多くの人で賑わっています」

3連休初日となった10日、茨城県の国営ひたち海浜公園には多くの人が訪れ、赤と緑のコントラストが織りなす「秋の風物詩」をカメラに収めていました。

来園客
「秋晴れで、天気よくて、青空でいい日にきたなと思いました」

「神の絨毯」に救急ヘリ 緊迫の一部始終

一方、東北では…。

報告・駒見直音アナウンサー(宮城・栗駒山 午後2時ごろ)
「東北の紅葉の名所・栗駒山にやってきました。見渡す限りどこまでも赤、オレンジ、黄色、秋色に染まっています」

宮城・岩手・秋田の3県にまたがる栗駒山では、紅葉のピークを迎えています。赤やオレンジに色づいた山並みは「神の絨毯」とも呼ばれています。

登山客で賑わいを見せていた正午ごろのことでした。

報告・駒見直音アナウンサー
「救急ヘリがこちらに到着しました。救助要請をした方がいるということです」

栗原市消防本部によると、10日午前10時すぎに「下山中に足を痛めて下山できない」と一緒に登山していた人から通報がありました。

報告・駒見直音アナウンサー
「隊員の姿が見えました。さらに我々がいたところから上がったところに緊急通報した方がいるということで、いま隊員2人が降下するということです。ヘリコプターから離れてくださいというアナウンスが聞こえてきます」

茂みに降りた隊員たち。歩いて移動しています。

報告・駒見直音アナウンサー
「負傷した人が救急隊員に抱えられて、引き上げられて行きます。1名救急隊員に抱えられて救急ヘリの中へと引き上げられていきます」

現場に駆け付けた仙台市消防航空隊によると、救助されたのは50代の女性で、栗原市内の病院へと搬送されたといいます。

片道6時間 それでも見たい“日本一の紅葉”

秋山登山の遭難事故が多い傾向にある、との指摘も出ています。急斜面の岩場を下っていく救助隊員。背負っているのは遭難者です。これは2週間前に、北アルプスで撮影された山岳救助の映像です。傾斜が緩い場所では担架を使いながら、歩きにくい岩場を進みます。こうした山道を進むこと約8時間。雨が降る中、ようやく麓までたどり着いたといいます。この救助の拠点は、今、多くの登山客が訪れている場所でした。

報告・富樫知之ディレクター(長野・松本市 午前6時ごろ)
「テラスにたくさんの人が集まっています。ものすごい人です。みなさん山の方にカメラを向けています」

ここは、長野県内の標高約2300mに位置する涸沢。今の時期は、朝日に照らされて山肌が赤く染まる、「モルゲンロート」と呼ばれる現象とともに「日本一」とも称される紅葉を見ることができます。

登山客
「(午前)4時にここに。紅葉をもう絶対収めたいと思って。とにかく青い青空と山肌の色ときれいな紅葉がすごくいい」

さらに…。

報告・富樫知之ディレクター
「色とりどりのテントがたくさん並んでいます」

夜になると、この色とりどりのテントに加え、登山者のヘッドライト、そして満天の星が輝き、幻想的な景色が広がります。この時期には近くに池が出現することもあり、水面に映り込む山々も壮観です。こうした、涸沢でしか味わえない絶景を見るために、紅葉シーズンには1年で最も多くの人が訪れ、多い時で1日に約2000人が、6時間以上かけて山を登ってくるといいます。この場所で、午前7時半に始まったのが、ラジオ体操です。主催者は、涸沢を拠点に北アルプス南部で救助活動などを行なう、長野県山岳遭難防止常駐隊の隊員たち。体操には登山客のケガを防ぐ目的があるといいます。

長野県山岳遭難防止常駐隊 加島博文隊長
「観光客が非常に増えて、SNSで涸沢の紅葉が一般の方にも大きく広がっている。10月に入ってから毎日、死亡事故含め起きている。多いかなという傾向は感じます。(9日には)稜線あたりの途中で滑落事故があったが、頭部を打っておそらく即死だった」

夏よりも死者が多い 秋山登山の“落とし穴”

長野県では山での遭難件数が増加傾向にあり、この20年間で倍増しています。さらに、去年の夏山シーズンと秋山シーズンを比べると、夏の方が遭難件数が多かったものの、死者数は秋の方が多いというデータもあります。取材中にも、救助隊の拠点に負傷者が訪ねてきました。

隊員
「わりと傷がスパッと切れている感じなので」

右目の上部に切り傷を負った男性。岩場で転倒してしまったといいます。

隊員
「歩き始めるとちょっと出血するかも。一回診てもらった方が…」

男性は早く病院に行くことを約束し、戻っていきました。秋山登山の注意点を聞いてみると…。

長野県山岳遭難防止常駐隊 加島博文隊長
「上はマイナスの世界で低体温症になる可能性は非常に高い。夏の感覚で来られると痛い目遭う」

実際に、涸沢を見下ろせる場所では、6日前に視界が悪くなるほど雪が舞っていました。さらに、秋は救助ヘリが飛べる時間も限られてしまいます。北穂高岳の山頂付近から足を骨折した遭難者を搬送した時の映像には、救助隊員が遭難者を1人で背負って搬送する様子が映っていました。数分ごとに背負う隊員を交代しながら、約3時間かけて涸沢まで搬送。その後、ヘリで病院まで運ばれましたが…。

長野県山岳遭難防止常駐隊 加島博文隊長
「秋はどうしても日が短くなるので、ヘリも飛べなくなりますし、それを覚悟の上でしっかり装備を持って山に入っていただく、これが秋山に一番必要」

絶景「仁淀ブルー」に来訪者急増

続いて番組が向かったのは、秋晴れが続くこの三連休にぴったりの観光スポット。

報告・内田吾郎ディレクター(高知・いの町)
「あちら滝が見えてきました。下の岩場の方で多くの観光客の方が写真撮影しています」

「にこ淵」と呼ばれる高知県屈指の観光名所。水質日本一とも称される清流・仁淀川の支流にある滝壺です。

愛媛県からの観光客
「青がキレイな青色で。初めて見る水の青さ」

兵庫県からの観光客
「めっちゃ空気が澄んでいて、エメラルドグリーンでめっちゃ心が洗われます」

透明度が高く、青く見えることから「仁淀ブルー」と呼ばれています。「にこ淵」はその象徴としてSNSで国内外に広まり、来訪者が急増。山奥ながら、多い時で約5000人が訪れるそうです。しかし、「にこ淵」付近にある駐車場は全体で約40台分しかなく、多い時には国道まで4キロほどの渋滞が発生。オーバーツーリズム対策が課題でした。それが、10日には。

報告・内田吾郎ディレクター
「以前はこの駐車場に入るための行列ができていたと言いますが、現在はできていません。ただ、駐車場はほとんど満車です」

「いつ・誰が・どこから」AI分析で“分散観光”に

オーバーツーリズム対策に活用したのは、AIです。国道から「にこ淵」へ向かう入り口に設置されたカメラ。ここに映った車のナンバープレートをAIが解析し、四国から来たのか、四国以外から来たのかを判別。四国以外から訪れる人たちは、連休の中日に多いことがわかりました。こうした分析をもとに混雑予想情報を作り、今年からホームページ上で公表。その後は連休中の観光客が分散したといいます。AIカメラは、様々な「分散」に役立つといいます。

いの町役場地域振興係 福本陽一係長
「お越しいただいた観光客様の年代と性別を把握させていただいています」

遊歩道に設置したカメラに映った観光客をAIが解析。映像データは残さずに年齢や性別のデータだけを抽出・蓄積していると言います。

いの町役場地域振興係 福本陽一係長
「お客様のニーズに応えられるように、こういったプランはどうですかとか観光する場所をちょっと分散させる。スムーズに観光して楽しんでいただけるようになっていただけたらと思います」

「世界遺産」にクマ…厳戒態勢で営業 北海道でカモを襲う個体も

10日午前6時46分ごろ。車が通る道路の脇から飛び出して来たクマが防犯カメラに映っていました。宮城・気仙沼市では、8日から市街地でクマの目撃情報が10件以上相次いでいて、警察などが警戒を強めています。

秋の行楽地にもクマの懸念が。群馬・下仁田町にある世界遺産「荒船風穴」です。岩の合間から噴き出す冷たい風を利用。いわば天然の冷蔵庫として、近代の絹産業を支えました。これから紅葉シーズンを迎える人気観光地ですが。

下仁田町歴史館 秋池武館長
「ちょうどこの付近にクマが一頭小さいクマがいまして、草の根のようなものをここで5~10分近くあさって食べていました」

今年7月、敷地内でクマが目撃されていました。群馬県では、クマの目撃や出没の件数が昨年度を上回るペースに。現場は警戒を強めています。開園前のパトロールのほか、クマが嫌がる高周波の音を出す装置などで対策し、取りやめていた平日の見学を今月から再開しました。

クマがエサを求めて活動範囲を広げるこの時期。“秋のクマ”は各地で。

先月29日、北海道 岩見沢市の養鶏場に現れたクマ。カモを咥えて出ていく様子がカメラに。この養鶏場は7回もクマに襲われ、今年だけで約80羽のニワトリやカモが被害を受けています。

相次ぐクマの出没。今後はどうなるのでしょうか。

“山の実り”に異変 クマ出没どうなる? 射撃技術の向上へ

群馬県の猟友会は10日、射撃技術向上のための射撃大会を実施していました。

射撃大会の参加者
「獲物が出るのって結構急に出てくるので、その時にすぐ構えられないとやっぱり撃てない。大事ですね」

クマの出没を予測するうえで重要な目安とされる山のドングリ。群馬県は、調査の結果、今年度は「不作」としています。群馬県猟友会のメンバーは毎日交代で見回りを行っています。今はシカやイノシシの駆除がメインですが。

群馬県猟友会 大矢力会長
「でも一回ここ見回りに来てこの先でクマはいたよ。俺は姿を見た」

毎日のように山に入る大矢さんは“山の実り”について、異変を感じていました。

群馬県猟友会 大矢力会長
「これナラだけどドングリなってないな。確かに不作っていうのは言えるかもしれない」

本格的な秋の到来に向けて、猟友会のメンバーも警戒感を強めています。

射撃大会の参加者
「ドングリが主食になるんだけど、これが今年は不作。だから真冬になるともっと増えるかもしれない。クマは」

射撃大会の参加者
「やっぱり動物だから怖いっていうのはあります。もう自分の腕を信じるしかないっていう感じ」

外部リンク
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