
100年以上の歴史を持つ、ワインに関する国際会議がアジアで初めて開催されている。その舞台は中国。今、ワイン生産国として存在感を高めている。
【画像】市場価格で約5万円 中国・雲南省で造られた「アオ・ユン」
世界の品評会で評価急上昇
「寧夏賀蘭山(ねいかがらんさん)は中国で最もワイン生産量の多い地域です。今ワイン産業は新しい挑戦とチャンスの時を迎えています」
OIV=国際ブドウ・ワイン機構が主催する国際会議。100年近い歴史を持ち、アジアで開催されるのは初めてとなる。
中国は2024年にOIVに加盟したばかりだが、中国産ワインは近年、世界の品評会でトップクラスの成績を獲得するなど評価が高まっている。
輸出額 去年の1.4倍に
22ヘクタールのブドウ畑を持つこちらのワイナリーで造られたワインは、世界的評価も高く、アメリカやシンガポールなどにも輸出されているという。
北京から車でおよそ1時間半の場所にあるワイナリー。フランスとの共同事業として、ワイン造りを始めたという。
このワイナリーでは、フランスに留学経験のある中国人技術者が醸造し、およそ30年間試行錯誤しながらこの土地に合うワインを造り上げた。
中法庄園 李靭CEO
「フランスから導入した品種の中に、フランスではごく普通だったが、中国では非常に優秀な品種になったものがあります。この土地の土壌や気候に非常によく適応し、とても良いワインを造れる品種になりました」
日本市場向けに買い付けているバイヤーも視察に訪れていた。
上海国分 営業統括部
遠藤真紀副部長
「フランスやイタリアのタイプのものとは違った力強さや土地の強さみたいなのを感じています。ブラインドテストすると、フランスのものなのか中国のものなのか、分からない人もいますし、そういう意味ではクオリティーが上がってきていると感じています」
去年の中国でのブドウ栽培面積は、およそ73万3000ヘクタールで世界第3位。今年の上半期、中国産のワインは36の国と地域に輸出され、輸出額はおよそ117億円。すでに去年1年間の輸出額の1.4倍に上っている。
日本の受け止めは
そんな中国産ワインは、日本ではどう受け止められているのだろうか?
中国産ワインをグラス1杯880円から楽しめるというワインバー。
パンダワイン店主 青山宗典さん
「(Q.どれが中国ワインなんですか?)全部中国ワインになります」
「(Q.中国らしさの良さを教えてください)個人的には香りだと思いますね。中華食材の香り、例えば花椒(ホアジャオ)ですとか、五香粉(ウーシャンフェン)。そういった中国の料理と似たような香りがありまして、中華料理と相性がいいワインが多いのが特徴だと思います」
多くは5000円から1万円ぐらいだというが、なかには…。
「こちらの『アオ・ユン』というワインなんですけれども、大体今市場価格で5万円くらいのワインになります。フランスのボルドーの造り手さんが中国の雲南省で造っています。フランスのワインと同等のクオリティーを持ったワインです」
「(Q.実際に今ワイン市場の中では、どういった位置づけになるのですか?)まだまだニッチなところですね。知る人ぞ知るワインだと思います。現在はまだ知名度はないですけども、将来的にはチリワインと並び、またさらに先にはフランスワインを超えていくという狙いを持っている」
中国は今、国家戦略としてワイン生産を推し進めている。そこには、どんな思惑があるのだろうか。
背景に優れた産地と国策
中国産ワインが存在感を見せてきた背景には、習近平政権の国策があった。
中国のワイン事情を取材したANN中国総局の井上桂太朗記者によると、「中国にはワインベルトと呼ばれるワインを造るのに適した土地が新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、河北省など広範囲に広がっている」といい、特に寧夏回族自治区は「高品質のワインを生産し、雇用も創出されている。国策としてワイン産業を推進している」という。
こうしたなか、世界の品評会でも高評価を受けている。
去年、世界最大級で最も影響力のある国際ワインコンペティションで、中国産ワイン2銘柄が最高賞を同時受賞するという快挙があった。
井上記者は、これにより「バイヤーが中国に買い付けに来ることで、海外での販路が拡大、輸出が増加している」という。
国策としてワインの生産を進める習主席は2020年に「10年後、あるいは20年後には寧夏ワインは世界を驚かせるだろう」と発言。
それからまだ6年だが、中国ワインは世界が評価するレベルまで成長してきている。
(2026年10月14日放送分より)
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