
千葉県内でシカの仲間「キョン」の繁殖が問題となっています。県が設定している拡大防止ラインを越え、茨城県でも目撃が相次いでいます。さらなる北上を食い止めることはできるのか?専門家の調査に密着しました。
キョンの進撃 どこまで広がる?
撮影者
「めっちゃ食ってますもん、むしゃむしゃむしゃ」
「やめろやめろやめろ。ブドウがならなくなってしまう」
農作物を食い荒らす、特定外来生物のキョン。
ついに千葉県から利根川を越え、茨城県に侵入しました。今年5月、茨城県内で初めて捕獲されたのです。
東京農工大学 諸澤崇裕さん
「どんどん北の方に向かって(キョンの)密度が高い所が増えている」
キョンの進撃がさらに続く恐れが出てきています。
オスかメスかの判断が重要
番組が密着したのは、キョンの生態を研究する専門家・東京農工大学の諸澤崇裕さんの調査です。
「これはキョンの足跡ですね。ひづめの小さいの。これは向こう側に歩いている」
千葉県内で1年以上にわたり、映像や鳴き声を記録し続けています。
勝浦市の山中で木に取り付けたのは、小型カメラです。
「画面が小さいんですけど、ここを見ていただければ」
「これがキョンですけど、角があまりなさそうなので、メスかな?メスっぽい」
繁殖が広がっているかを確認するためには、オスかメスかの判断が重要だといいます。
「野生動物は基本的には、まずはオスが拡大していく。次にメスが拡大していく。メスがいたら繁殖するということになる」
茨城県古河市で発見
元々は台湾に生息していたキョン。1980年代までに千葉県勝浦市の施設から逃げ出し、野生化したとみられます。
2004年の時点で生息域は5つの市町でしたが、現在では18の市や町で定着が確認され、その数は9万頭にも及ぶと推定されています。
千葉県は今年、北上を防ぐため拡大防止ラインを設定し、捕獲などの対策を進めてきました。
ところが、5月にキョンが発見された場所は、そのラインからおよそ80キロも離れた茨城県古河市でした。
茨城県内では、これまでに6つの市や町で目撃されていて、確認されたのはすべてオス。諸澤さんは、現時点で茨城県内では「繁殖していない」とみています。
“えずくような声”注目
キョンの生息地を把握するため、諸澤さんが注目しているのが“人がえずくような声”とも言われる鳴き声です。
「5秒くらいの間隔で鳴いている。こういったようなところが特徴になります」
カメラは、目の前を通ったキョンしか捉えられません。しかし、鳴き声なら…。
「半径数百メートルくらいの非常に広い範囲で検出できる」
さらに、鳴き声からオスとメスを判別できないか、研究を進めているといいます。
福島県にまで及ぶ可能性
研究チームは先月、キョンが生息できる地域が千葉県をはるかに超え、福島県にまで及ぶ可能性があると発表しました。
諸澤さんはこうみています。
「太平洋側とかですね、海沿いとか上がっていけば、雪もそれほど多くないので。当然、福島とかも(拡大は)あり得ると思います」
「ここ数年で分布拡大のスピードが速くなっているんじゃないかと。本当に今が正念場と思います」
(「グッド!モーニング」2026年10月20日放送分より)
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