■「娘は誰かの命を守るために犠牲になったわけではない」
稲葉さんは「娘が突然こういう形で命を奪われたことを、受け止めることができず、日々苦しい毎日を過ごしている」と語る。この件が不幸な事故として片付けられることへの納得のいかなさを訴え、「何の落ち度もない人が日常の中で命を奪われる危険性が放置されるままでいいのか。同じような理不尽な被害に遭う方をこれ以上出さないためにも、まず司法にしっかり現実を見つめ直してほしい」と述べる。
稲葉さんは事件後、男と3回にわたって接見。「下に人がいようがいまいが、当たって死のうが死なまいが知ったことじゃないという気持ちで飛んだのか」と直接問い質したところ、男は「はい、そうです」と答えたという。稲葉さんはまた、現場となった繁華街で同時間帯に何日も人通りを調査し、1時間45分の間に約300人が往来していたことを確認した。また男は、飛び降りたマンションの所有者でもあったといい、稲葉さんは「人通りが多いのは以前から必ず認識していたはずだ。こういうところから飛び降りる危険は分かっていたはずだ」と主張する。
稲葉さんは「娘は誰かの命を守るために犠牲になったわけではない。そのことだけは皆さんに知っていただきたい。娘の父親として悔いが残らないよう、最後の最後まで戦って訴えていきたい」と語った。
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