
あらゆる細胞になれる『iPS細胞』。ついに、実用化の段階に入りました。保険適用としては世界初となる、iPS細胞を使った移植手術を受けた患者が21日、病院が開いた会見に出席しました。
【画像】「思いきり走りたい」iPS細胞“移植手術”患者が会見 実用化へ大きな一歩
「病気前の生活に戻したい」
重症心不全の患者(50代)
「生きている実感というか。何かすごく気持ち良い、心地いい感じでした」

4年前に心筋梗塞を発症した女性。重い心不全となり、心臓の機能が徐々に低下していました。薬による治療でも改善がみられなかったといいます。先月29日に女性が受けたのが、iPS細胞から作られた再生医療製品による新たな治療。手術を終えた女性はある変化を感じていました。
重症心不全の患者(50代)
「深呼吸が深く、すごく深くできるようになりました」

女性の治療に使われたのは、iPS細胞から作られた心筋シート『リハート』です。iPS細胞を心臓の筋肉の細胞に変化させ、シート状にしたリハートを、心臓の表面に3枚貼り付けることで、血管の再生を促し、心臓機能の回復が期待されています。手術は約50分で終了。女性は術後2日目から歩くリハビリを始め、22日に退院する予定です。
重症心不全の患者(50代)
「まず犬の散歩に行きたいです。思いっきり走りたいです。病気になる前の生活に戻したいです。趣味を楽しみたいです」

執刀医「実用化へ大きな一歩」
今回の手術を執刀したのが、治療法の開発を主導した大阪大学の澤芳樹名誉教授。
大阪大学名誉教授 澤芳樹医師
「大きな意味では最初の一歩。実用化としての一歩で」
リハートは今年3月、条件と期限付きで製造販売が承認され、先月から公的医療保険の対象となっています。今後7年以内に75人の患者の治療データを集め、安全性や有効性を確かめたうえで本承認を目指します。

大阪大学名誉教授 澤芳樹医師
「既存の治療ではもうこれ以上治らない方に、一刻も早く、次の一手、新しい治療として普及して、1人でも多くの人を助けたい」
