
競争が激しい飲食業界で、22年連続黒字で業績が好調なのが、そばチェーンのゆで太郎です。物価高のなか、500円前後の朝食が働く人たちの胃袋を支えています。
ランチタイムは連日満席に
店内で製麺した特製のそばに、カツオ節やサバ節などをベースにしたつゆが売りのそば。かけそばとかきあげ丼が付いて朝セットは税込み500円です。
定番の天ぷらや本格的なモツ煮まで、サイドメニューも含めるとおよそ50種類(季節によって変動)。急成長を続ける人気の秘密に迫りました。
五反田駅から徒歩5分の本店は、オフィス街に位置しています。ランチタイムは連日満席に。
客は券売機で食券を買い、カウンターでスタッフに手渡すシステム。セルフサービスのそば店です。
好調を維持するわけは?
ゆで太郎をフランチャイズ展開する、ゆで太郎システムは全国で223店舗を出店。
前の年の売上高は142億円。22年連続で黒字を続け、セルフそば業界の王者です。
※A社114店舗 B社55店舗(21日時点 番組調べ)
そば業界はここ15年で店舗数が3万4000軒から1万軒近く減少(うどん店も含む)。競争の激しい業界です。
そのなかで好調を維持するわけは?ゆで太郎システムの池田智昭社長はこう語ります。
「今は郊外の出店が8割、9割。郊外がいいっていうのはブルーオーシャン(競争が少ない)。スピード優先の立ち食いそばではなくて、おいしさ優先の街のそば屋さん」
素材のこだわり 水の調整
そばは、そば粉55%、小麦粉45%で配合。一般的なそばチェーンでは、そば粉の割合は20%から40%と言われています。ゆで太郎の高さは際立っています。
店内では、一日に多い時で7回、製麺。湿度に応じて使う水の量を調整しています。
ゆで太郎システム 村上さん
「きょうは曇りで湿度が少しだけ高いので、(水の量は)少なめ」
「そばは生き物。水しか入っていないので、より新鮮で安心安全なそばができると思っています」
製麺できるのは、社内の試験に合格した人に限られ、各店舗に“麺職人”が配置されています。
そばに…命とも言えるだし
会社員
「香りがいい。食べやすい」
「のどごしがいい」
そばに合わせるのは、命とも言えるだしです。
沸騰した鍋にカツオ節や宗田節、サバ節の3種類を強火で5分煮だし、丁寧にだしを取ります。独自にブレンドしたかえしを加えれば完成です。
一番人気のメニューは「冷やし薬味そば」760円。揚げナスやホウレンソウなど、たっぷりの薬味をのせています。
のりは兵庫県・播磨灘産の一番摘み。柔らかい口どけと豊かな風味が特徴の高級品です。
カツオ節は鹿児島県の枕崎産「枯節」を使っています。
出来立て提供 厨房では
かきあげそばの注文が入ると、厨房(ちゅうぼう)ではこんなやり取りがありました。
「季節(のかきあげ)どう?」
「季節(のかきあげ)もうちょい。頑張ってます」
「何秒?」
「あと17秒」
「完成です!」
「そしたらもりください!」
厨房を見渡す場所にいる人が“出来立て請負人”。「デシャップ」と呼ばれ、客の注文を受けて調理の順番とタイミングを仕切ります。
「白身入ってる?」
「入ってない!やる!」
「かけを先にもらっていいですか」
「順番前後させていただきます」
この日、ピークタイムに最大28人の注文が重なりましたが、異なる揚げ時間とそばのゆで時間を計算し、的確に采配しました。
業績を支える朝メニュー
223店舗のうち、およそ2割が24時間営業。午前7時半ごろの店内は席の半分が埋まりました。
飲食業の客
「仕事終わってね」
「(Q.これは何のセット?)朝そばたまご」
「24時間やっているのがありがたいです。この値段で」
IT関係の客
「朝定食。かきあげ丼のやつです。これで500円です」
「今から出社。安いし、朝から腹いっぱいになる」
業績を支えている理由の一つは、午前11時までの朝メニュー。一番人気は、かけそばとカレーが付いた500円セットです。
どのメニューも500円前後で、通勤前や夜勤明けの働く人たちに人気です。
郊外出店 重視する3点
番組が向かったのは、埼玉県新座市。最寄り駅からは徒歩40分ほど離れていますが、売り上げナンバーワンの店舗です。
店舗のすぐ近くには運輸会社が多く立ち並びます。すでに店舗の中には、トラックの姿もあります。
店舗は、関越道と国道254号に挟まれたエリアにあります。工場や物流センターが立ち並び、運輸会社の支店や営業所も多くあります。
ゆで太郎が郊外に出店する際に特に重視しているのは3点。
(1)交通量の多い幹線道路
(2)社用車が多いこと
(3)交差点の角地
出店担当者のリサーチに同行させてもらうと、とあるコンビニ店の前に。
ゆで太郎システム開発本部 畑崎慎さん
「見てください。止まっている車両の状況。止まってる車のお客さんが事業系の車両じゃないですか。働くお父さんが休憩やご飯を食べているかもしれない。閉まらないかな…」
畑崎さんは、角地で交通量と社用車が多い空き地を見つけました。出店に向けて、土地を借りることを検討しています。
「いいですね、売れるんじゃないですかね。ゆで太郎と同じような価格帯の日常食のお店がたくさん出ているので、道としてもいいんでしょうね」
「働くお父さんが乗っている車が多いのが見てとれますし」
2030年に300店 中期目標も
今後について、池田社長はこう語ります。
「2030年に300店という中期目標はありますけど、そこにゆで太郎があって良かった。お客様が喜んでくれて、従業員が喜んで働ける。みんなが喜べるチェーンになるのがいいのかなと」
(「グッド!モーニング」2026年10月22日放送分より)
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