「新たな黄金時代へ」“ゴジラ”松井秀喜氏が巨人の新監督に 栗山英樹さんに聞く

巨人の4番、ヤンキースの4番としてその名を刻んだ松井秀喜さん(52)が、巨人の監督として帰ってくることになりました。

【ノーカット】「新たな黄金時代を」巨人・松井新監督 会見

「笑顔でふるさとに戻ってきた」

松井秀喜新監督
「これからジャイアンツに新たな黄金時代が訪れるよう、今日ここからスタートしていきたい」

ドラフトでの強行指名に続くサプライズ。球団、ファンが待ち望んだ“巨人・松井監督”がついに誕生します。

巨人 松井秀喜新監督
「皆様こんにちは。来季より巨人軍監督に就任することになりました、松井秀喜です。私はジャイアンツで高校卒業後10年間プレーしました。その間、長嶋茂雄監督のもと指導いただき、自分なりに精一杯頑張り成長してきたつもりです。
今日ここに来る時に、今から24年前、自らの意志でジャイアンツを去る時のことを思い出していました。あの日は全く笑顔を出すことができませんでしたが、今日は満面の笑顔で自分のふるさとに戻ってきたつもりです」

巨人のユニフォームに袖を通すのは2002年の退団以来、実に“25年ぶり”です。

巨人 松井秀喜新監督
「まずは基本に立ち戻り、ジャイアンツの理念哲学であると思います『ジャイアンツは常に強くあれ』『ジャイアンツは常に紳士であれ』『ジャイアンツはアメリカ野球に追いつけ追い越せ』その一つひとつを着実に進めていきたいと思います。それをしっかり選手にも浸透させ『やっぱりジャイアンツの選手は感じがいいな』『ファンに優しいな』そう思ってもらえる選手であるよう、しっかりと私自身がそれを体現していきたいと思います」

(Q.先ほど家族の後押しを受けたと仰いましたが、どのような言葉や後押しを受けたのでしょうか)
「あまり家族のことは詳しく言うのはあれなんで。まあとにかく背中を押してくれました。それだけです。それがないと、ここにはいません」
(Q.覚悟が決まったきっかけや瞬間はいつごろだったのでしょうか)
「それは今の質問と似てるかもしれないですけどね。やはりそれがないと、ここには来られなかったし、やはりジャイアンツに対する愛が、最後は全て上回ったんだと思います」

恩師・長嶋氏と交わした「約束」

背番号は現役時代の『55』ではなく、『90』。去年亡くなった長嶋茂雄さんが初めて監督に就任した際につけた数字でした。語られたのは、恩師・長嶋さんへの深い思い。

巨人 松井秀喜新監督
「私にとっては、どこにいても心の中にジャイアンツはあったんです。昨年、長嶋監督が亡くなられて。本当は長嶋監督にも、この姿を見ていただきたかったなという気持ちは正直あったが、でもここで受けなくちゃいけないとね」

去年6月、弔問に訪れた際「長嶋監督と生前約束したことがある。その約束を果たしたい」と語っていた松井さん。

巨人 松井秀喜新監督
「自分自身、そんなこと言うつもり全くなかったんですけど。やっぱり、あの自分の発言によって色々な臆測が飛び、当時のチームにすごく迷惑かけたと思っています。私の中では自主撤回しておりまして。皆さんご自由に考察してください。これが答えかもしれないし、答えじゃないかもしれないし」
(Q.長嶋さんを見習いたい部分は)
「無理です。私は長嶋茂雄にはなれません。まずそのことを自分自身、理解しないといけないと思います。やっぱり長嶋さんは長嶋さんなんです。自分は自分のできることに集中してやっていきたい」

シーズン最中、異例の事態に直面した今年の巨人。阿部前監督が娘への暴行問題で監督を退くと、橋上コーチが監督代行としてシーズン終了まで指揮を執りました。チームはAクラスにこそ入ったものの、クライマックスシリーズはファーストステージで敗退。次期監督選びは難航も予想されていました。

横浜・織田翔希の“強行指名”は

こうした中で迎えた、22日のドラフト会議。メジャー挑戦を表明していた高校ナンバーワン右腕、織田翔希投手の強行指名に踏み切りました。

巨人 松井秀喜新監督
「私も昨日、テレビ中継で見ていたんですが、どの選手を指名するかは全く知りませんでした。世界一のピッチャーになる可能性のある選手と、もしかして契約できるかもしれないチャンスをいただいた。久しぶりにドラフト会議を見ていて、ジャイアンツでゾクッとしましたね」
(Q.織田投手と契約のチャンスがあるという話もあったが、どのような言葉を)
「ジャイアンツにしかない素晴らしい環境があると思います。もしジャイアンツに(織田投手が)入団した場合、色々なプランを、彼にとって一番いいものを考えていく」

元侍J監督 日本ハム・栗山英樹CBOに聞く

侍ジャパンの元監督、日本ハムのチーフベースボールオフィサーを務める、栗山英樹さんに話を聞きます。

(Q.スポーツキャスター時代は選手としての松井秀喜さんを長く取材をされました。会見を聞いてどんな印象を持ちましたか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「本当に覚悟しているというのはあるんですけど。僕が一番気になったのは服装でした。国民栄誉賞をもらった時の長嶋さんと一緒のスーツを着ていて。これ実は長嶋さんからプレゼントされたと言われてるんですけど、松井さんが長嶋さんにプレゼントしたスーツで。それもネクタイが形見分けで、長嶋さんがしてたものを松井さんの所に行っているらしいんですよ。今日どちらをしていたか分からないですけど、メッセージとして、日本のプロ野球をつくった長嶋さんって。僕は背負いますっていう本当の覚悟をすごく僕は感じて。それはすごくうれしかったです」

松井さんは、日本のプロ野球で10年、そしてアメリカで10年活躍し、日米通算2643安打、507本のホームランを放った平成を代表するスラッガーでした。引退後は巨人で臨時コーチ、ヤンキースでも特別アドバイザーとして若手選手の育成に携わりました。

(Q.メジャーを現役引退した2012年以降、日本の野球、そして巨人軍を見つめる気持ちどんなものだったと想像しますか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「特にアメリカでプレーをして、自分が引退してから1回も日本一になっていない。やっぱりジャイアンツは強くて、本当に色んなものを引っ張ってくれるというイメージがあって。それがうまくいかないことに対しての悔しさとか、ジレンマとか。特にアメリカでやってるんで、アメリカはすごいんだけど日本の良さはこうなんだって示してきた選手だから、余計に悔しさみたいなのがあったと思うんですよね」

(Q.松井さんにとって巨人の監督に就くことは、これだけ長い年月が必要だったのでしょうか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「本人も言ってましたけど、もっと早くというのももちろんありますけど。今、野球は本当に過渡期に来ていて、特に皆がメジャーの方にちょっと気持ちがある。そういう中で、やっぱり日本の野球はこうなんだと、素晴らしさもあるんですよというメッセージは、松井さんのような方を通さないと、なかなか目が行かないので。このタイミングを測ったわけじゃないですけど、よくぞこのタイミングでという感じが僕はします」

(Q.プロ野球を取り巻く環境が変わりそうな感じはしますか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「良い選手がアメリカに行くという流れはありますが、日本のプレーヤーもどんどん良い選手が出てきてますし、プレー自体とか、やり方も良いところがいっぱいあるんです。ただ、見る機会がないと気が付かない。多分、皆が松井さんを見たいと思っているので、それを通して色んな幅が広がるという意味では、すごく大きな存在だと思います」

(Q.松井さんは会見で「家族の後押しと」「ジャイアンツ愛が上回った」という表現をされていましたね)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「プロ野球全体を考えた時に、やっぱりジャイアンツはこういうポジションでやらないとプロ野球が発展しないというところから日本の歴史は来ているので、多分、長嶋さんもその思いすごく強かったのが、松井さんにそのまま伝わってる。そんな感じを受けます」

(Q.監督を引き受けるというのは、家族の後押しも含めて、ものすごい大変なことですか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「365日24時間、全てチームのために時間を使えますかと問われる仕事だと僕は思っています。色んなタイミングがあったと思うんですけど。さあ行くという今回はタイミングで、本当に大きな決断をしてくれたなと思います」

(Q.松井さんの監督に向いてると思う部分はどこですか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「巨人軍の4番をずっとはってきた。それもヤンキースで中心バッターをしてきた。要するにチームを、野球全体を支えるという気持ちになった時に、目先の勝ち負けだったりとか、1人の選手に引っ張られないと思うんですよ。野球全体が見えているので、僕は監督にすごく向いていると思います」

(Q.松井さんの監督就任は、巨人ファン・野球ファンだけではなく、日本中がパッと輝くような気持ちになったと想像しますが、だとすればなぜだと思いますか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「やっぱり巨人軍って、そういう存在だったというのも僕らの世代はあるかもしれないんですけど。やっぱり松井選手の覚悟ですかね、選手時代の。自分は大事だけど、絶対チームを勝たせますよという何かが皆に伝わってきていて。じゃ監督になったら、こんなふうにしてくれるよねみたいな。それを皆が感じているのかなと思います」

(Q.松井さんは監督として、長嶋さんのどんなところを受け継ぐと思いますか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「体の中に長嶋さんのやられることが、全部入っているので。逆に言うと、すごくちゃんとしてるので、きちんと監督をやりそうな雰囲気があると思うんですけど。僕は自分の感性を信じて、人がびっくりするような、松井秀喜がこんな野球をやりたいんだ、そういう野球を見てみたいなと。そこに長嶋さんの入っている部分が一緒に出てきてくれるんじゃないかなと楽しみにしています」

(Q.巨人はドラフト会議で、メジャー挑戦を表明している横浜高校・織田投手を強行指名しました。織田投手について、松井さんは「会いに行くことで迷惑になるかもしれない。慎重に彼の気持ちを第一に考えたい」と話していましたね)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「例えば僕も大谷翔平選手の時とか色々ありましたけれども。このコメントを聞いた時に、松井さんらしいなと。日本の野球も大事だし、巨人も大事なんですけど、やっぱり一人ひとりをまず大事にして、自分が行ったら迷惑かかるんじゃないかという。人を大切にするところの感じが前に出てきたなと。本当にそういうのを大事にしてほしいです。僕は日本でやろうとアメリカでやろうと、どっちでもいいんだと思います。2人の物語がここから始まって、もしかすると10年後に一緒にやってるかもしれない。その物語を我々はちゃんと見届ける、それを楽しみに見させてもらうでいいのかなと思っています」

(Q.栗山さん自身、大谷選手と物語を紡いできました。1人の人生を預かる監督は、やっぱり重い仕事ですよね)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「自分のひと言で変な風になってしまう。色んなことを考えると思うので、本当にこう大切に大切に。特に自分たちのことよりも、自分の側を全部捨てて、相手のためになるかならないかと、松井さんも考えられると思うので、そこの姿をしっかり大事に見ていきたいです」

(Q.野球界全体にもたらす影響をどう思いますか)

日本ハムCBO 栗山英樹さん
「日本の野球って、こんなところも良かったし、こんなにすごいんだ、こんな選手もいるんだというのを、松井さんを通して多くの人に見てほしいですし、その場所がすごく広がると思うので、何か1つ場面が変わった印象を受けます」

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