
今年3月、沖縄県辺野古沖で小型船が転覆し、同志社国際高校の女子生徒ら2人が死亡した事故から7カ月以上が経った今月30日、高校を運営する学校法人の理事長が初めて会見に出席しました。
“安全配慮義務違反”認める

今年3月、名護市辺野古沖で研修旅行中だった同志社国際高校の生徒18人を乗せた小型船2隻が転覆。高校2年生だった武石知華さん(当時17)と、船を操縦していた金井創船長(71)が亡くなりました。今も遺族が求め続けているのは、事故の経緯と責任の所在を明らかにすること。

武石知華さんの父親
「どうして今回のことが起こったのか。誰がどのタイミングでどういう判断をしていたのか」
事故後初めて、学校法人『同志社』の理事長が会見に出席しました。

学校法人同志社 八田英二理事長
「かけがえのない生徒の命をお守りすることができないこと、学校法人として責任を重く受けとめております」
事故から7カ月経ち、初めて会見を行った八田理事長。

学校法人同志社 八田英二理事長
「法人内で色々と議論をしておりました。7カ月。記者会見を開くのが遅れたことはおわび申し上げたいと思います」
(Q.会見せずに置いとけば風化すると考えたのではないか)
「そういうことはございません」

特別調査委員会が指摘した事前の下見や安全な計画の策定を怠ったとする、学校側の『安全配慮義務違反』については全面的に認めました。

学校法人同志社 八田英二理事長
「本法人に3つの安全配慮義務違反があったことが認定され、本法人のガバナンスが機能不全に陥っていることを指摘されました。本法人として確認してきた結果と相違なく、本法人の業務をつかさどる理事長として、ガバナンス不全に陥ったことに関する責任は重いと認識をしております」

亡くなった船長は、牧師をしながら抗議活動をしていました。国に届けを出さずに人を乗せて船を運航していたことも認識していなかったといいます。なぜ依頼したのか問われると…。

同志社国際中学・高校 宿久洋校長
「チャプレン(聖職)というのは誰でもなれるポジションではないので、そういうところでやられている方だから信頼できる。あとは人的なつきあいが深まっていく中で信頼していった。どういうふうに運航されていたか調べたわけでもないですし、そういう面ではこちらのチェックが甘かったというか」
「教育の中立性問題あった」

安全性の問題に加えて、5月には文科省から、抗議船に乗るなどの平和学習が「政治的活動を禁じる」教育基本法に違反すると認定されました。

学校法人同志社 八田英二理事長
(Q.今回の学習内容が教育的中立性に照らし合わせて問題があったのか)
「平和学習あるいは研修に関しては、教育の中立性に問題があった」
(Q.どういうところに問題があった)
「やはり平和学習ということで多面的な見方を教えるべきであって、1つの見方、偏ったとは申しませんが、1つの見方で平和学習を行われたところ」
両親「むなしさを禁じ得ない」
学校法人同志社の会見を受け、亡くなった武石知華さんの両親がコメントを発表しました。

武石知華さんの両親
「3月17日以来、7か月半を経て、ようやく開かれた会見でした。言いようのない違和感を覚えました。その原因は、今日の会見の内容もさることながら、より根本的にはこれまでの沈黙にあると感じます。第三者委員会の設置、5月の文部科学省の見解、刑事告訴と家宅捜索、7月末の調査報告書、9月の教育に関する検討委員会の設置決定。説明すべき節目は、いくつもありました。その節目ごとに会見を開き、説明を重ねていれば、議論は段階を踏んで深まり、報道の方々が知りたいことと、学校が説明したいこととの隔たりも、少しずつ縮まっていたはずです。7か月半の空白を経た問いは、お互い、一度の会見などで消化できるはずもありません。そのときどきに語るからこそ、伝わる気持ちや誠実さもあったのではないかと思います。時期を過ぎれば、どこか別の世界で流れているような、そんな会見にも感じてしまい、むなしさを禁じ得ません。学校法人と学校には、説明責任を果たすということはどのようなことなのか、これまでを振り返り、もう一度真剣に考えていただきたいと思います」
