防災庁発足と同時に「緊急要請」なぜ? 細野防災大臣「自立している人が多い方が国は強い」海外の備蓄要請とは「無関係」地震の予知も「今の科学ではできない」

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■事前防災への「緊急要請」とその背景

緊急要請
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 11月2日、防災庁の発足と同時に、細野氏の主導により国民に対して「最低3日分、できれば1週間分」の物資備蓄や、家具の固定、ハザードマップの確認などを求める緊急要請が出された。

 このタイミングでの要請に対し、SNSなどネット上では「なぜ突然緊急なのか」「政府は何か知っているのか」といった不安の声が上がった。さらに、同時期にイギリス、ベルギー、オランダ、フィンランドなど欧州各国でもそれぞれ緊急時の備えを呼びかける動きがあったことから、「AIを使ったサイバー攻撃によるインフラ麻痺か」「第三次世界大戦の備えか」など、他国の動向と結びつける見方も拡散した。ぺこぱ・松陰寺太勇も「イギリスでも同じような備蓄要請が出ていたり、太陽フレアがこのタイミングで来るという話も聞いたりして、ちょっと不安になった。実際にスーパーへ行くとガスボンベが売れており、自分も水を買い足した」と明かした。

 これらの声に対し、細野氏は「現在の科学で地震の予知はできない。私のところにだけ地震が起こりそうだという情報があったわけではないし、他国の要請とも無関係だ」と明確に否定した。その上で、南海トラフ巨大地震が30年以内に60~90%、首都直下地震が70%という高い確率で予測されている現状を踏まえ、「日本がどれぐらいの頻度で災害が起きているかを客観的に見ると、いつ起こってもおかしくない状況だ」と指摘した。

 なぜ防災庁発足のタイミングで要請を出したのか。細野大臣は、新組織への期待から国民が行政任せになってしまうことへの懸念について、まとまった見解を示した。

 「防災庁ができることによって、これまで自治体にやや任せすぎていた様々な対応で、国が前に出る。国民からすると災害対応が改善すると期待されると思うが、結果として『国がやってくれるだろう』と行政任せ、政治任せになると、逆に災害への対応力は下がる。それを避けたいと思った。防災庁の発足と同時に、国民のみなさんにもやはり自助がどうしても必要だということを積極的に出したほうがいいと判断した」。

 さらに、南海トラフ巨大地震のような国難級の災害が起きた場合、想定される2万カ所の避難所を即座に開設し、支援を行き渡らせることの難しさを説明した。

 「自治体がそこまで準備できるかという問題がある中で、障害を持っている方や高齢の方など、優先的に行政の備蓄や人的リソースを当てていかなければならない要支援者がいる。自分で頑張れる人は少なくとも3日、そして1週間頑張ってもらえれば、行政の手が届くんじゃないか。つまり、自ら行動していただくことが、災害に弱い方々を助けることにつながるということをお伝えしたかった。また、ハザードマップの確認はお金がかからない。自分の住むところに浸水リスクがあるかないのかで、避難をしなければならないかを予測できる。本当に防災力を高めるためには、国民のみなさんに行動していただかないと強い国はできない」。

 立命館大学准教授・富永京子氏が「自助というより、サービスの消費者になりがちな現代日本において、自分たちでやるという『自立性』を高めたいのではないか」と分析すると、細野氏は「どんなに公助の枠組みが広がったとしても、最後は自立している人が多い方が国としては強い」と語り、その意図を肯定した。

■縦割り打破の「勧告権」と自治体支援のあり方
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