いよいよ8月5日より開幕するブラジル・リオ・オリンピックのサッカー予備予選。日本はスウェーデン、コロンビア、ナイジェリアとグループBで争うことになるが、各国の代表選手の中でも気になるのがOA枠で選出された選手たちだ。
先日親善試合で対戦したブラジル代表のオーバーエイジ枠(OA枠)のネイマール同様、対戦国のOA枠には国を代表する超大物や実績のある選手も多く、彼らの選択次第で予選やトーナメントの結果も左右される可能性も十分にある。
日本代表は藤春廣輝(ガンバ大阪)、塩谷司(サンフレッチェ広島)、興梠慎三(浦和レッズ)を選出したが、対戦国のOA枠から危険度の高い選手をピックアップしてみた。
■コロンビア代表
コロンビア代表といえば、ブラジルW杯で苦杯を舐めた相手として日本のサッカーファンにも深く心に刻まれた相手だが、あの大会で大ブレイクしたハメス・ロドリゲスの招集は今回見送られ自国のクラブや、南米のクラブに在籍する気鋭を中心に構成しているが、気になるのは前線にOA枠で招集された2人のベテランだ
テオフィロ・グティエレス
日本も対峙した2014年ブラジルW杯コロンビア代表メンバーFW。31歳のベテランだが、アルゼンチンのリーベルプレートに3年間在籍後、昨年からはポルトガルの名門スポルディングに移籍、現在までに11ゴールを上げている。ストライカーとしての才能もさることながら、前線でゲームを組み立てる能力にも優れ日本にとっては厄介な存在になりそうだ。
ドルラン・パボン
グディエレスが要注意という声が圧倒的に多いようだが、かつてセリエAのパルマや、スペインのベティス、バレンシアにも在籍したドルラン・パボンの方が脅威となる存在かもしれない。現在在籍のメキシコの名門モンテレイでは2年間で50ゴールと量産。28歳と円熟期といえる年齢だがゴール前での一瞬の速さと決定力、しかも前線に2人ものW杯経験メンバーをオーバーエイジ枠で招集したコロンビアはやはり恐ろしい相手になりそうだ。
■ナイジェリア代表
もはやアフリカのチーム恒例となった資金不足や選手の士気低下によるボイコット騒動など、大会前からゴタゴタぶりが報じられているナイジェリア代表だが、2015年のU-23世代はアフリカU-23選手権で優勝したメンバーと言う意味でも試合に集中できる状況になれば優勝候補ということも十分にありえる。そしてOA枠には、反則ともいえるプレミア勢2人を含む、かなり重厚なメンバーが選ばれた。
ジョン・オビ・ミケル
チェルシーのミケルがOA枠、しかもオリンピック選手団のキャプテンに選出された。しかもミケルは今回のブラジルへの渡航費なども含めサッカー代表の費用3万ドルを負担、実質的に国やサッカー連盟の肩代わりまで買って出たという噂まで(現在のところ本人は事実を否定している)。いずれにせよ、この29歳の国際経験も豊富なキャプテンにチームの命運が委ねられているのは確かだ。
オディオン・イガロ
最も怖い相手といえるもう一人のOA枠は、ワトフォードのイガロ。14/15シーズン、英2部にあたるチャンピオンシップで20ゴールしチームの昇格に貢献し、昨シーズンのプレミアリーグでも17ゴールを上げ13位とチームの残留にも貢献。シーズン通して30ゴールとワトフォードの得点マシーンとして12月月間最優秀選手を獲得するなど大活躍し、オフシーズンにレスターや複数のビッククラブがオファーを出すも仁義を通しワトフォード残留を宣言した男気でも話題になる。数多く出場するワールドクラスのストライカーの中でも最も怖い一人であることは確か。昨シーズンのゴール映像をみても判る通り、数人を引き連れて一人でもなんとかできてしまう屈強さと、ゴール前で張る嗅覚に優れたストライカーである。
■スウェーデン代表
U-21時代に欧州王者となっているスウェーデン代表。守備的なスタイルのチームは、数年間同じメンバーで国際舞台で実戦を重ねているだけあって完成度が高い。当初当確と言われていたズラタン・イブラヒモビッチのOA枠での参加は見送られたが、質実剛健といえるメンバーを取り揃えた。
アストリト・アイダレヴィッチ
現在スウェーデンリーグのエレブルーに在籍するMFだが、ベルギーの名門、スタンダール・リエージュや、ローンで英プレミアチャンピオンシップのチャールトンなどに在籍した。U-21の優勝メンバーは、名だたるクラブに在籍した若きタレントが豊富な集団だが、高さがあり、中盤での落ち着きをもたらす選手として要警戒だ。