7月の「UFC200」でマーク・ハントに圧勝したブロック・レスナーだが、その後ドーピング陽性反応の騒動が解決しないモヤモヤのままプロレスのリングに復帰し、UFCとWWEと双方の煮え切らない対応が物議を呼んでいる。

ことの発端は、7月15日のレスナーUFCの復帰戦直前、6月28日に行われたレスナーの抜き打ちでの採取サンプルからドーピング反応が出たというもの。

ロシアのオリンピック騒動で日本でもその名が知られるようになった世界アンチ・ドーピング機関(WADA)直轄の機関から、アメリカのアンチ・ドーピング機関、USADAへと報告が上がったのが試合前日の7月14日ということもあり、試合後に問題が明るみに出た。

この問題に関してどうも歯切れが悪いのがその後のUFCの対応だ。本来クロであれば2年間の出場停止という厳しい規程違反だが、「UFC200」限定のスポット参戦であったことを理由に罰則は一切なし、さらに試合後には800万ドル(約8億1000万円)という超高額のファイトマネーも満額受け取ることで、UFCに参戦している多くの選手から不満の声が続出した。なかでもレスナー戦で敗れたマーク・ハントが「違反した奴に軽いペナルティだけで後はお咎め無し。全く抑止力が働いていない」とUFCの今回の対応に不満を示し、自ら契約解除を申し出た事がアメリカでも大きなニュースになった。

これら選手たちの意見や世論の批判を受けてか、8月8日にUFCが発表したランキングのヘヴィー級には本来ある筈のレスナーの名前が除外されていた。2年間の出場停止でもはやリングへの復帰は絶望的と言われているフランク・ミアや、意図せぬ使用とはいえ自己申告で出場を中止したリョート・マチダ、ジョン・ジョーンズなど、このところ相次いで発覚しているUFCファイターのドーピング違反への対応を考えると、余りにも甘すぎるペナルティーという印象だ。

WWEに関してもドーピング違反に厳しい罰則規程を設けている。いわゆるウェルネスポリシーと呼ばれるもので、初犯は30日間の出場停止、3度目には解雇になる。

プロレスラーに関してもステロイドなどの使用が長年問題となってきたが、WWEの上場を期に他のスポーツ競技と同様にクリーンさを求められるようになったが、今回の件に関しては、事実を公表しつつもレスナーは変わらず、スケジュール通り参戦することを同時に発表した。

8月2日のWWE RAWで騒動以来久々のプロレスのリングに上がったレスナーだが、当然ながらドーピング疑惑に関する言及は一切なし。このまま8月21日のサマースラムでのランディー・オートンとの大一番になし崩し的に参戦し、このままこの問題が収束することを本人は望んでいるようだ。

UFCとWWE双方にとってブロック・レスナーが魅力的なコンテンツであることは紛れもない事実ではあるが、アンチドーピング活動を推し進めて来た両団体の社会的信用も揺るがすような「レスナーのドーピング問題」。今後の対応も含め注視していく必要があるだろう。

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