フランス・リーグ、リーグ・アン。9月11日の第4節、ニース対オリンピック・マルセイユの“地中海ダービー”で、ニースFWマリオ・バロテッリが2得点を上げ、3-2でデビュー戦を勝利で飾った。くすぶり続けた「悪童」の復活を世界中のサッカー・メディアが伝えている。

イングランド・プレミアリーグ、リバプールで出番を失い退団。その後移籍先がなかなか決まらなかった元イタリア代表だが、リーグ・アンの新天地ニースでのデビュー戦に先発出場。前半7分にPKを慎重に決め先制。その後マルセイユのタウヴィン、ゴミスのPKでの得点で逆転されるも、後半33分バロテッリが右サイドからのクロスに合わせヘッドを沈めて同点。その後シブリアンのロングシュートで逆転に成功したニースが勝利。4戦3勝1分けモナコと並んでリーグ首位となった。

かつてはインテル、マンチェスター・シティ、ACミラン、リバプールとメガクラブを渡り歩いた「神童」も、ピッチ内外での数えきれない問題行動と、度重なるパフォーマンス不足により26歳にして窮地に追い込まれていたのも事実。行き着いたニースで、早くも結果を出したが完全復活と呼ぶのには懐疑的な声も少なくない。

特にリバプールを完全に干されるような形で去ったバロテッリだけに、まだクラブへの「怨念」が続いているのも事実だ。試合後には英メディアに「リバプール行きは人生最悪のチョイスだった。ファンやチームメイトとは良好だったが、2人の監督(ブレンダン・ロジャース、ユルゲン・クロップ)には良い印象はない」と発言するなど批判を展開している。

リバプールといえば、OBでクラブのレジェンド、ジェイミー・キャラガー氏とのネット上での舌戦もここ1週間話題となっていた。ニース移籍時にキャラガー氏が「タダでも高い買い物」とバロテッリを痛烈に批判したことを切っ掛けに両者のツイッター上での罵り合いがエスカレート。

バロテッリは「キャラガーはバッドプレイヤーだが、ヘイターとして素晴らしい」と皮肉り、一方のキャラガー氏も「せいぜいニースでバロンドールを目指すことを願っているよ」と応戦するなど大人げないやりとりが続いていた。

イギリスでの悪い思い出に執着し「毒舌」を吐く懲りない性格は相変わらずだが、地元を含むフランスのメディアは「ダービーのヒーロー」「イブラヒモビッチのデビュー以来の衝撃」とPSGを去りイギリスに渡ったイブラヒモビッチの穴を埋めるフランスリーグのスターとして、今のところは好意的に報じている。

また彼の代理人ミノ・ライノラはイタリアメディアに「この2年間をちゃらにするには、まずは20ゴールマークすること」と宿題を出している。

華々しいリーグ・アンでのデビュー戦を飾ったバロテッリだが、身内すらまだ安心していないようだ。

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