事前の予想を裏切り、ドナルド・トランプ候補がヒラリー・クリントン候補を破る形となった米大統領選挙。「アメリカを再び偉大にする」というスローガンを掲げ、「メキシコとの国境に壁を築く」といった過激な発言を繰り返してきたトランプ氏だが、当選の要因は一体何だったのか。
上智大学総合グローバル学部教授の前嶋和弘氏は「アメリカ国内の大きな閉塞感、怒りの1票が彼を選んだ」と話す。移民、セクシズム、外交ーー。心の中では思っていても、なかなか声に出して言えない事を声を大にして主張してきた。その推進力が閉塞感に包まれた現状を打破してくれるのではないか、そんな期待が主に白人の労働者層の間で広がり、支持が拡大した要因だと分析する。