今年夏、JR博多駅近くの路上 で、ジュラルミンケース に入れられた金塊が複数の男たちによって盗まれるという事件が起きた。その額およそ6億円 。ニュースを聞いて、多くの人が、いまから48年前に起きた「3億円事件」を思い出したことだろう。当時日本を揺るがし、"昭和最大の未解決事件"とも言われる事件だ。
 1968年12月10日午前9時15分 。日本信託銀行の現金輸送車が 、東芝の府中工場へ向けて出発した。中には社員にボーナスとして支給される現金およそ3億円が積まれていた。現金輸送車は府中刑務所の塀の前、通称"学園通り"といわれる通りで白バイ警官に扮した一人の男に声をかけられる。これが「3億円事件」の始まりだった。