日本時間の11日午前、8年の任期を終えるオバマ大統領が地元シカゴで国民に別れを告げる演説を行った。
 オバマ大統領は詰めかけた1万8000人の聴衆を前にキューバとの国交正常化や、同時多発テロ事件の首謀者とされた者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害など、軍事・外交面での実績を挙げ「アメリカは、より良き国になり、より強くなった」と強調した。
 一方、20日に就任を控えるトランプ氏については「10日後に民主主義の転換期を迎えます。自由な選挙のもとに選ばれた一人の大統領から次の大統領へ平和的政権交代です。トランプ次期大統領には可能な限りスムーズな政権交代を約束しました」とし、「私たち全員が、所属政党や利害関係にかかわらず共通の目的を立て直すことが今何よりも必要なことです。我々はその党派にかかわらず、民主主義制度を再構築するという課題に身を投じるべきです」と述べ、意見や立場の相違を超えた結束を訴えた。さらに「もしも選んだ議員に失望したならば、みなさん自ら立候補してください」など、トランプ氏への牽制とも取れる発言もみられた。