アジア最強総合格闘技ONE Championship』のマレーシア大会「 ONE Championship47 "UNBREAKABLE WARRIORS"」が9月2日開催され、メインカードのライト級、イヴ・タン対ロブ・リシータは3-0の判定で、地元マレーシアの英雄イヴ・タンが勝利した。

 クアラルンプール大会のメインは、マレーシア華僑の生まれで、国籍はニュージーランドというアジア・オセアニア地域でグローバル展開している格闘家の一人タン。プロ戦績は11勝3敗、ワン・チャンピオンシップ参戦以降は僅か1敗という戦績。一方のオーストラリア出身のリシータは、現在3連敗とこれ以上は負けられない状況だ。

 試合は当初から、レスリングベースでテイクダウン能力に優れ、スタンドの攻撃力に定評のあるリシータと、打撃、寝技両方に優れたコンプリート・ファイター、イヴ・タンの特にスタンドでの攻防に注目が集まっていた。

 1Rは、予想通り両者のパンチを振り回す打撃戦で幕を開けるが、リシータが早々とテイクダウン。グラップリング技術を活かしコントロールしケージに追い込むも、しなやかにタンが逆転するとスタンドでのリシータのチキンウィングと見応えある攻防に。モミ合いの中タンがケージ際で膝、パンチのコンビネーションでリシータは鼻から出血。前半3分の目まぐるしい攻防で、スタミナを奪われたリシータはスタンドでの攻防を嫌い、再びテイクダウンで押さえつけレスリング巧者ぶりを見せつけラウンドは終了。

 2Rは再びスタンド戦からスタート、タンのローと的確なパンチ、ハイキックを織り交ぜた攻撃に、応戦するリシータの前蹴りの攻防だが、タンの精度の高い打撃が徐々に試合のペースを握って行く。1Rの鼻からの出血でスタミナが切れ徐々にガードがゆるくなるリシータ。タンの強烈な右フックが入り前のめりにグラつくと、苦し紛れのテイクダウンとケージへの押さえつけや、テイクダウンで時間稼ぎを試みる。スタンドではタンの打撃が優っているが、得意のリシータが得意のグラップリング技術でなんとかラウンドを凌いだ印象だ。

 3R、明らかにスタミナ切れが顕著なリシータに、タンはギロチンチョーク、スタンドでのパンチとローのコンビネーション、膝蹴りと積極的な攻撃に転じる。対するリシータもフラつきながらもカウンターで応戦、一度はタンにテイクダウンを奪われるも、巧みに体を入れ替え消耗戦に持ち込む。残り一分はケージ際での至近距離の打ち合い、タンはギロチン、膝と果敢に仕留めにかかるがタフで心の折れないリシータは、フル・ラウンドの判定に持ち込んだ。

 判定結果は、3-0でタンの勝利。1Rこそ寝技でリシータに主導権を奪われた感はあるが、2R以降のスタンドでの効果的な攻撃数、寝技の攻防などでも圧倒した。試合後タンは「最高のパフォーマンスではなかったが、このまま勝ち続けたい。次はタイトル戦を」とタイトル戦線に名乗りを上げた。

 この勝利でイブ・タンは3連勝。過去の試合でも6勝1敗と好成績を収めていることから次期ライト級王者挑戦が濃厚となり、11月11日のシンガポール大会でのライト級タイトルマッチ、青木真也対エドゥアルド・フォラヤン戦の勝者との対戦する運びとなりそうだ。

ONE Championship "UNBREAKABLE WARRIORS" | AbemaTV
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ONE Championship "Spirit of Champions" | AbemaTV
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