すでに指定席のチケットが完売するなど、大きな話題を呼んでいるのが3月3日のKrush・後楽園ホール大会だ。
(防衛戦に向け自信のコメントを連発した小澤。)
この大会のメインイベントで行なわれるのは、-58kgタイトルマッチ。王者・小澤海斗に中国のユン・チーが挑戦する。
これが2度目の防衛戦となる小澤は、昨年のK-1&Krush戦線で最も株を上げたファイターと言っていい。Krush王者になるとK-1での武尊戦が決定し、記者会見でこれでもかとばかり挑発、乱闘にまで発展している。試合には敗れたが、この試合を盛り上げ、存在感をアピールしたのは間違いなかった。
11月にはK-1フェザー級(57.5kg)王座決定トーナメントに出場。ここでも武尊に敗れることになったが、決勝進出を果たしたことで実力が世界レベルであることを証明したとも言える。
そして今回、久々となる後楽園のリングで防衛戦。「自分がチャンピオンっていうのが本当に好きなので、このポジションは絶対に譲れない」という小澤に挑戦するのは中国のユン・チーだ。
ユン・チーはK-1初参戦で小宮山工介に勝利。フェザー級王座決定トーナメントでは、かつて小澤が接戦を演じた神戸翔太を倒している。そのパンチは、パワーだけでなくテクニック面での評価も高い。
(小比類巻代表のミットに蹴りを叩き込む。試合はパンチ対蹴りの様相になるか。)
小澤は、ユン・チーのパンチを認めつつも「問題ない」と自信のコメント。公開練習では鋭い蹴りを何度も披露しており、挑戦者への対策が万全であることを感じさせた。ちなみに、所属するK-1ジム恵比寿 小比類巻道場の小比類巻貴之代表とのミット打ちは、隙あらば相手も打ち返してくるスパーリングのような実戦形式。このミット打ちで、小澤は実力を養ってきたのだという。
強豪ユン・チーが相手でもまったく自信が揺るがない小澤。考えている結末はKOだけで、「倒すパターンは3つ、用意している」という。さらには「他にも面白い試合はあると思うけど、俺だけ見てればいい」とのコメントも。
昨年、数多くの激闘を経験したことで小澤は大きく成長したはず。危険なチャレンジャーを迎え撃つからこそ、今の小澤の実力もはっきりと示されることになるだろう。
文・橋本宗洋