毎回、超満員の興行が続く新生K-1の2017年第一弾が、2月25日に代々木第二体育館で開催される。
ここで行なわれるのは、新設されたライト級(-62.5kg)の初代王者を決める1dayトーナメントだ。強豪選手が多数、出場する中、優勝候補と見られるのは卜部功也。功也は-60kgの初代王者でもあるだけに、2階級制覇をかけての参戦となる。
一回戦では、昨年9月に山崎秀晃を下したムエタイ戦士ゴンナパー・ウィラサクレックと対戦。高度なテクニックを誇る功也だが、トーナメントではKOで体力をロスせず勝ち上がることも大事なだけに、いつも以上に「気合い」を重視して闘うという。
その功也と準決勝で対戦することが期待されているのは、K-1の未来のエース候補とも言える平本蓮だ。K-1甲子園優勝からプロでも圧倒的な実力を見せてきた平本だが、Krushでの王座決定戦で敗北。今回は出直しの意味合いも持つ。試合は久しぶりとなるが、その間に「試合に向けた練習ではなく、強くなるための練習に取り組むことができました」と語っており、レベルアップした姿を見せてくれそうだ。
(K-1甲子園優勝から世界王者を目指す平本蓮。“新生K-1の申し子”とも呼ばれる。)
逆ブロックには、平本を下したKrush王者・佐々木大蔵と世界2冠王の谷山俊樹が参戦。新階級の初代王者となるべくしのぎを削る。
(2月9日の記者会見にて、武尊とともにさいたまスーパーアリーナで記念撮影を行なった卜部弘嵩。)
またワンマッチでは、スーパー・フェザー級(-60kg)のタイトルマッチとして卜部弘嵩vs大雅の一戦が実現する。弟・功也との兄弟対決を制してチャンピオンになった弘嵩だが、その後は苦しい闘いが続き、昨年9月のトーナメントで大雅に敗北。今回はベルトをかけての雪辱戦となる。弘嵩は敗戦の直後から「すぐにリマッチがやりたい」と言っていたというから、よほど屈辱を感じたのだろう。
「60kgはこれからの自分が引っ張っていく」という弘嵩に対し、大雅は一度勝っているだけに「興味がないので(試合を)断ろうかと思った。もういいでしょって感じです」と挑発的なコメント。
そんな大雅に「チャンピオンにふさわしくない」と返した弘嵩。過去、大雅はK-1で王者になる機会を逃しているだけに「世界チャンピオンになれないタイプ」とも。
試合前からヒートアップしているだけに、試合も激しいものになることは確実。大雅の充実ぶりはもちろん、弘嵩もここ一番で爆発することが多く、予断を許さない展開になりそうだ。
ファンが増え続ける中、K-1は6月大会からさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナに進出。来年3月18日の大会は、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催することが決まっている。
その大舞台に立つのは誰なのか。誰がベルトを巻き、メインに登場するのか。ここからの闘いは“ロード to さいたまスーパーアリーナ”という意味合いも持つことになった。それだけに、単に勝ち負けを競うだけでなく、試合の熱さ、存在感をファンにアピールするという面でのK-1らしさも、今後さらにレベルアップしていきそうだ。
文・橋本宗洋