古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し、急激な改革には反対する立場のことを指す「保守」。かつての革新・保守という対立もなくなった今、「保守」自体が多様化し、意見の違いも目立つようになった。直近のトピックをテーマに、3人の保守論客が討論、排外主義や好戦的といった「右翼」「保守」のステレオタイプとは異なる冷静な姿が浮き彫りになった。
 伝統や文化について、どの時代をベースに置くのか、という問いに対し、文筆家の古谷経衡氏は「僕が括弧つきで「保守」と呼んでいる人たちの中には、戦時中の皇国史観を基準にしている。しかし、そもそも保守とは、反理性主義というか、フランス革命の後、なんでも改革していくやり方に対して距離を置いて、ちょっと待ってよ、そこまで急激に変えるのはやめない?経験や歴史に基づいてやらない?というものだった。だから、アメリカが好きか嫌いかというような問題は本来関係がない。生き方の問題」と話す。