「K-1初代ライト級トーナメント」の余韻も残る中、3月3日(金)後楽園ホールで「Krush.74」が開催される。
今回の大会、最重要カードはやはり今後のK-1フェザー級戦線を占う意味で最重要カードといえるメインのKrush -58kgタイトルマッチ、小澤海斗VSユン・チーの試合だ。トーナメントでは準決勝でユン・チーが、決勝では小澤がともに武尊に敗れたという意味で、再チャレンジの第一歩を争う意味で落とすことのできないカードである。
両者が調印を行った3月1日の前日会見でも「コンディションも非常にいい」と語るユン・チー「特別な用意はしていないが、彼も私のことをよく知っているし私も小澤選手がどんなスタイルで戦うのかよく知っている、私自身が誰と戦うからどのような練習をするということよりも、リング上で拳を交えて最後に立っている方が勝者だと思う」と、謙虚ながら自信みなぎる言葉。やはり同門のウェイ・ルイが初代ライト級トーナメントを制し、過去最高の日本勢の最大の脅威となっている中国勢の勢いを感じさせる。
一方「計量終わってめんどくせえから早く帰りたい」と相変わらずぶっきらぼうなコメントの小澤だが「仕上がりは一番いいのでみんな期待してて」と不敵な笑みを浮かべつつも「このベルトは俺のベルトなので外国人選手だからとかじゃなくて、誰とやるにしても渡すわけにいかない。Krush-58kg王者=俺にならないと面白くない」と、これまで以上に気持ちの入ったコメントと共にタイトルへの強い思い入れを語った。
この会見で一番緊張が走ったのは「K-1王者の武尊も今回の試合を観戦することになるが意識はしているか?」という質問だ。
ユン・チーは「去年ご存知の通り武尊選手に負けました。スピードも劣り冷静さも欠いていました。あの試合で自分が学ぶことは多かったと思います。次回チャンスがあれば再戦したいですし、彼のベルトを取りに行きたい。次回武尊と試合ができれば100%勝つ自信があります」と語り、小澤は「今のうちにノンキに見てろよ」と今までどおりの尖ったスタンス。武尊の「(小澤への)タイトルを流出させるなよ」というエールにも「そんなこと言ってたの。うるせえよ」と憮然とした表情で語った。
K-1のフェザー級トーナメントでも圧倒的な強さで決勝に進んだ小澤、一方トーナメントを総括した際に「最も手強い相手」と武尊が讃えたユン・チー。当然ながら両者ともに年内の打倒、武尊を前にした前哨戦であり、ここで負けると今年のタイトル戦線での一歩後退を意味も含むターニングポイントとなる試合になりそうだ。