将棋の名人戦・順位戦はB級1組が9日に最終日を迎え、A級への昇級、B級2組への降級各2人が決定する。
B級1組は13人で争われ、12日目までに8勝3敗の久保利明九段(41)がすでに昇級を決めている。残り1枠を8勝3敗の山崎隆之八段(36)、7勝4敗の豊島将之七段(26)、阿久津主税八段(34)の3人で争う展開だ。
まず注目されるのが、山崎八段と阿久津八段の直接対決。山崎八段が勝てば文句なしで昇級が決定する。阿久津八段が勝った場合は少々複雑だ。もう1人の候補、豊島七段は糸谷哲郎八段(28)と対戦。豊島七段が勝てば3人が8勝4敗で並ぶ。
この場合に重要なのが、前期成績をもとにつけられる順位(序列)だ。勝敗数が同じ場合、上位の者が昇級する仕組み。今期は豊島七段6位、阿久津八段9位、山崎八段10位なので、3人並べば豊島七段が昇級する。阿久津八段からすれば、まず自身の対局で勝ち、かつ豊島七段が敗れることを待つことになる。
一方、残留争いも大接戦。郷田真隆王将(45)、畠山鎮七段(47)、飯島栄治七段(37)の3勝8敗が並び、最終戦で2人が降級する。郷田王将と飯島七段は直接対決で、順位1位の郷田王将が勝てば残留決定。畠山七段は自ら勝利し、郷田王将が敗れれば残留する。順位が13位と最下位の飯島七段が一番苦しく、勝利した上で畠山七段が敗れると、逆転で残留することができる。
持ち時間は各6時間。昇級・降級の結果は、10日未明に明らかになる見込み。
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