東日本大震災からまもなく6年、津波の被害から町と人の命を守る巨大防潮堤を「選んだ町」と「拒んだ町」。防潮堤がそれぞれの復興に及ぼしている影響とはー。
 死者・1214人、行方不明者・219人(2017年時点)を出した宮城県・気仙沼市は、巨大防潮堤の建設を選んだ。
 建設は気市内沿岸部65カ所で行われ、全長約40km、最大高さは14.7mに及ぶ。遠目にはそれほど高く見えないが、近づいてみるとその存在感に圧倒される。陸から海を見るには、取り付けられたアクリル板を覗くしかない。