2017年のRIZINは、4月16日の横浜アリーナ大会からスタートを切る。
この大会で大きな話題となっているのは、UFCフライ級のトップ戦線で活躍してきた堀口恭司の参戦。堀口はUFCでの試合数が少ないことからフリーエージェントとなり、RIZINを舞台にフライ級世界最強を目指すことに。その初戦で、DEEP代表の元谷友貴と対戦する。
そして3月14日の記者会見では、新たなフライ級ファイターのカードとして、才賀紀左衛門vs伊藤盛一郎が発表された。
RIZIN初参戦となる伊藤は、ZSTのフライ級王者。ニンジャチョークを武器に修斗の世界王者となった勝村周一朗の愛弟子で、憧れの存在は所英男。その所とは一緒に練習もしている。常にフィニッシュを狙うことが要求されるZSTのチャンピオンだけに、アグレッシブな寝技が持ち味だ。
昨年末のRIZINに出場が内定していた伊藤だったが、負傷により戦線離脱。今回は悲願の出場となる。しかも会場が地元・横浜だけに、さらに気合いが入っているようだ。
対する紀左衛門は昨年末にRIZIN初勝利を挙げ、「今年はフライ級のチャンピオンたちと闘っていきたい」と語っており、今回はそれが実現した形。空手出身、K-1で名を売った紀左衛門に対し、寝技が得意な伊藤と好対照なファイトスタイルの対戦になる。
当然、組み付かれると紀左衛門が不利になるが、「みんな自分が相手だとひっついてくる。でも今は昔の俺じゃないんで。ひっつかれても大丈夫」と組み技対策も万全のようだ。一方の伊藤は「ZSTのチャンピオンらしく、動き回って一本、KOを狙います」とコメント。「所選手のちっちゃい版」という紀左衛門からの評価には「その通りだと思います。でも違う部分も持っている」と言う。
RIZINでは今年、もしくは来年にフライ級のGPトーナメント開催を予定しており、この試合もGPに向けて重要な意味を持つことになる。
堀口という“メジャーリーガー”の参戦に「勝てるように経験を積んでいきたい」と語った伊藤。逆に紀左衛門は「堀口選手だってRIZINは初めて。他の団体のチャンピオンも、RIZINではチャンピオンじゃないわけだから全員平等だと思ってます」と言う。
伊藤の出場で、フライ級戦線の闘いがさらに激しいものになるのは確実。日本人の層が厚いこの階級で、誰が飛びぬけた存在になるか興味深いところだ。
また、この会見ではPRIDEなどで活躍した元選手・小路晃氏が理事長を務めるNPO法人 日本総合格闘技OBクラブからの発表も。世界自閉症啓発デーである4月2日に、中央区立総合スポーツセンターで自閉症啓発イベント『Fight4U.1』を開催。RIZINもバックアップし、選手との交流コーナーにバルトらRIZINファイターが参加する予定になっている。