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会見に出席した日本人選手と宮田充プロデューサー

これまで代々木第二体育館を常に満員にしてきた新生K-1が、6月18日の大会からさらに大きな会場、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナに進出する。来年3月の大会はさいたまのメインアリーナで開催されることが決まっており、今後は観客動員の面でも話題性の面でもよりスケールアップしていきそうだ。

6.18さいたまで行なわれるのは、スーパー・ウェルター級(-70kg)の第2代王者を決めるトーナメント。3月19日の記者会見で、その組み合わせが発表された。

城戸康裕vsジョーダン・ワトソン

廣野祐vsサニー・ダルベック

中島弘貴vsチンギス・アラゾフ

日菜太vsジョーダン・ピケオー

城戸、日菜太は日本を代表する中量級ファイター。廣野、中島はKrush戦線を生き残ってきた、いわば叩き上げとも言える選手だ。

彼らが迎え撃つのが、世界各国の強豪たち。ピケオーは現Krush王者、ダルベックはK-1の常連で佐藤嘉洋、中島、城戸を倒している。また初参戦のワトソンも世界的に知られている選手で、ダルベックとピケオーに勝利したことがあるムエタイスタイルのファイターだ。そして優勝候補の筆頭と見られているのが、ベラルーシのアラゾフ。強烈なハイキックをはじめとする左の蹴りを主武器に世界の最前線で活躍している選手で、ファンからも「K-1に出してほしい」という要望が多かったという。

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世界に挑む決意を口々に語った選手たちだが、城戸は……

K-1の70kgで日本の選手が世界を制したのは、K-1 MAX時代の魔裟斗だけ。体重が重くなればなるほど“世界の壁”は厚くなる。それを分かっているからこそ、日菜太は会見で「今年、自分が勝たないと、世界王者になる日本人は出てこないんじゃないか」と語ったのだろう。廣野は「アマチュアの頃から世界一になることを意識してきました。ピケオーに負けているので、決勝で明確な勝利を挙げたい」とコメント。中島も「ピケオーとダルベックにリベンジしたいですね。レベルが高い選手が集まってるからやりがいがある」と語った。世界の壁を知っているだけに、ベルトの価値も知っているのだ。

そんな中、城戸は冗談めかしながらも「なんですか、この本物志向は。かわいそうだなぁオレたち。決勝は日本人対決が見たい? 無理!」と、このトーナメントの過酷さ、レベルの高さを語った。これには日菜太も思わず。「キツいっすよねぇ」と苦笑い。

K-1は世界の強豪が集まってくるところも大きな魅力。とはいえ日本で開催される大会だけに、日本人に勝ってほしいと思うファンも多いはずだ。ある関係者は「1回戦で日本人が全滅する可能性だって充分ありますよ」と危機感を募らせる。

世界トップレベルの選手たちに日本のファイターがどう挑むのか。日本人王者は誕生するのか。さいたまでのK-1の新たな闘いは、史上屈指の過酷なトーナメントから始まる。

文・橋本宗洋

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