昨年10月に史上最年少、14歳2カ月で将棋のプロ棋士となった藤井聡太四段(14)が3月23日、大阪市福島の関西将棋会館で第43期棋王戦予選の対局に臨み、大橋貴洸四段(24)に127手で勝利した。
藤井四段は昨年12月のデビュー戦以来、この日で7連勝となっていたが、既に行われたNHK杯予選でも3勝して本戦出場を決めており、実質的なデビュー以来の連勝は「10」となった。デビュー以来の10連勝は近藤正和六段(45)、松本佳介六段(45)に並ぶ史上3人目のタイ記録。
将棋界の新星の勢いが止まらない。当初から評判が高かった終盤力を発揮し続け、不利な状況を一変させる一手が、ファンを魅了している。師匠の杉本昌隆七段(48)も「現時点で展開次第では、タイトルホルダーやA級棋士と指せる。一直線の読み合いなら負けていない」と認める逸材だ。
負けてはよく泣く少年だった。将棋を始めたのは5歳から。祖母に教わりルールを覚えると、藤井四段は「単純に勝てるのがうれしくて、楽しかった」と振り返った。その後、地元の将棋教室に通い始めると、持って生まれた才能を見せ始めたが、負けるととにかく泣いた。
将棋教室で教えた文本力雄さんは「(子供の中で)一番泣きましたね。四肢をわーっとバタバタさせて本当に泣いて泣いて、この子は今まで見たことのないような子供だな」と目を丸くした。杉本七段も「勝った時はあまり喜ばないけれど、負けると盤を抱えて泣いていた」と明かした。泣くほど悔しがる負けず嫌いの性格は、強くなるための原動力だった。
幼少期から楽しむ詰将棋は、目に入った問題をひたすら解き続けた。江戸時代に生まれた詰将棋集「将棋図巧」も最後の611手詰「寿」まですべて解いた。12歳のころ、全国詰将棋解答選手権で優勝。プロ入り後も評価される終盤力が身についた。杉本七段も「相手の玉を詰ます能力がびっくりするぐらい速い。一緒に検討していても、見た瞬間に『これは詰みますね』みたいに言うことがよくあった」と舌を巻いている。
これからどこまで連勝を伸ばすのか。若手棋士の1人は「しばらくはまだ成績上位の人との対戦がない。実力が本物であれば、まだ勝ち続ける」とした。また、杉本七段は「今回最年少四段の記録を打ち立てたわけですから、次は最年少のタイトルを」と期待をかけた。次回の対局ではデビュー以来の連勝の新記録がかかるが、藤井四段が打ち立てるだろう偉業の中では、大きな記録ではないのかもしれない。
(C)AbemaTV
?#天才中学生棋士の挑戦?
— AbemaTV@今日の番組表から (@AbemaTV) March 23, 2017
藤井聡太四段が関西若手エース・斎藤慎太郎七段と対決!
26日夜7時~放送▷https://t.co/nj9BYLaZ56
さらに勝敗予想正解者の中から4名に斎藤七段、解説・鈴木大介九段のサイン色紙・扇子を?https://t.co/opkUOvzQnb