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(公開練習でミット打ちを披露。パンチ、蹴り、ヒザとオールラウンドな攻撃を見せた)

「いい意味でフラストレーションがたまってますね」

4月22日のK-1・代々木第二体育館大会で久々のリング登場を果たす武尊は、現在の心境をそう語った。

昨年11月、フェザー級トーナメントを制して2階級制覇を達成したものの、その代償は大きく右拳を骨折してしまう。参戦をアピールしていたRIZIN大晦日大会も、断念せざるをえなかった。

約半年ぶりとなる今回の試合では、アメリカのビクトー・サラビアと対戦。フィジカルの強い好戦的ファイターであり、武尊も「絶対に噛み合う」と言う。久しぶりの試合でフラストレーションがたまっているからこそ、それをリングで爆発させるのが楽しみで仕方ないといったところか。

3月28日、所属するK-1ジム相模大野KRESTで山崎秀晃、石田圭祐、伊澤波人とともに行なった公開練習では、迫力あるミット打ちを披露。得意とするボディブローを連打するなど、仕上がりのよさを感じさせた。

これだけ試合間隔があくのは珍しいだけに、普段はなかなかできない練習に取り組むことができたともいう。その一つが「技の開発」だ。

試合が続いている時期は、すでに持っている武器を強化することを重視してきたが、欠場期間は新たなテクニック、コンビネーションを考え、試すこともできたと武尊。その中でサウスポーに構えての闘いにも手応えを感じたという。

「今までは右構えの右のパンチが得意でしたけど、左に構えても右が強く打てるし、一つが構えの左もある。右の拳を傷めてた分、左の攻撃を強化できましたね」

また先日はテレビ番組「SASUKE」にも登場。SASUKE用のトレーニングによって、格闘技とは違う効果も得たと語っている。

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(コンディションがいいからか、コメント中に笑みがこぼれる場面も)

サウスポーにSASUKE効果と、強さの追求に余念がない武尊が自身に課すハードルはあくまで高い。今年の目標は、まだ実現したことのない「全試合KO」を有言実行すること。そしてその先には、来年3月に開催が決まったさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナでのビッグマッチがある。

「出るためにどうする、とかじゃじゃないんです。もう出るもんだって決めてるので」という武尊にとって大事なのはメインの座であり、満員の観客をKOで魅了すること。

「武尊が一人で満員にしたって言われるくらいの存在になりたいし、次の試合では“もうさいたまのメインは武尊で決まりだね”って言われるような試合をします」

新生K-1のエースは、あくまで貪欲だ。

文・橋本宗洋

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