3月31日に開催された「ベラトール175」。メインカードのランペイジ・ジャクソン対キング・モーや、日本でもお馴染みのセルゲイ・ハリトーノフの鮮烈なKO勝利などがクローズアップされるのは当然だが、ライト級マッチでジェイク・ロバーツ相手に28秒TKO勝利を収めたスティーブ・コゾラという選手に今回は注目したい。
今年27歳なるコゾラ、ニックネームは「サンダービースト」。これまでMMAでの戦績は8連勝中、しかもデビュー戦のチョークでの一本勝ちを除いて残り7戦パンチでのKO勝利、うち5試合が1ラウンド、残りが2ラウンドという典型的なKOアーチストタイプの選手だが、柔術黒帯で寝技にも秀でている。今回のロバーツ戦でも、下がり気味のアッパーから畳み掛けるようなラッシュで一瞬で相手を仕留めた。
過去の試合映像を見てもとにかくパンチの破壊力が半端なく、バックブローの肘一撃で相手を沈め、一発目で相手の動き完全に止めボコボコにする派手なスタイルこれからどれだけ勝ち星を挙げ続けるか気になるところだ。
新進気鋭のファイター誕生という会場の雰囲気をさらにヒートアップさせたのは、次戦の対戦相手に、先月「ベラトール」との契約を発表したばかりのディロン・ダニスの指名したこと。ダニスといえば、コナー・マクレガーの柔術コーチとして一躍有名になった柔道黒帯、23歳と若く自身も第2のMMA団体と契約したことで一気にその名が知られるようになった注目の選手。今までの試合ではベールに包まれたままのコゾラのグラップリングテクニックもダニスとの対戦で見られるかもしれない。
ライト級といえばダニスだけでなく、非UFCファイターの中で、階級最強の呼び声も高い難攻不落の王者、マイケル・チャンドラーや元UFC王者ベンソン・ヘンダーソンなど強豪がひしめき合う激戦区。「永遠のナンバー2」的な立ち位置だった「ベラトール」の中でも特にハイレベルな階級ということで、このスティーブ・コゾラという名前、覚えておいて損はない。