4月5日、K-1さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会(6月18日)のマッチメイクに関する記者会見が行なわれた。
この会見では、まずスーパー・ウェルター級(-70kg)王座決定トーナメントのリザーブファイトとして、山崎陽一vs牧野智昭が発表。山崎は3月のKrushで中島弘貴に敗れ本戦出場は逃したものの、リザーブ戦に再起をかけることになった。
対する牧野は現在40歳。これまでキックボクシングで数々のタイトルを獲得しており、187cmという長身が大きな武器。自身も「リーチではこの階級で世界一だと思う」と語っている。
また、スーパーファイト(ワンマッチ)ではK-1スーパー・フェザー級王者・大雅vs皇治、さらに小澤海斗vs西京春馬の2試合もアナウンス。昨年、武尊との舌戦と激闘で株を上げたKrush -58kg王者の小澤は、以前からこのK-1さいたま大会に出たいと語っており、希望が叶った形だ。
リザーブマッチは実力派対決に
にもかかわらず、会見での小澤は不満そうな表情。小沢が狙っているのは武尊が持つK-1世界王座だけに、日本人相手の試合ではステップアップにならないということだ。
「スーパーファイトだっていうから期待してたのに、相手はこんなガキかと。俺にはなんのメリットもない。ただ組まれた以上は倒すだけ。この坊やにはマットに寝てもらう」
舌鋒鋭く語った小澤。最強は4月2日のKrush後楽園大会で、かつて小澤にも善戦したエリアス・マムーディに勝っているのだが、その試合の感想を聞かれても「つまんねえ」と切って捨てた。
「こんな相手に負けてたら、K-1王者どうこう言ってられない。見てる所が違うってところを分からせてやる」
格の違いを強調する小澤に対し、19歳の西京は「前回の試合(マムーディ戦)は納得できてません。このままでは勝てない」と謙虚なコメントを繰り返していた。しかし小澤のコメントを聞くうちに心境に変化があったのか「気合いが入りました。熱い気持ちです。しっかり倒しにいく試合をします」という言葉も。
小沢がKrush王者として、K-1王座を狙う身として格の違いを見せつけるのか、それともデビュー当時から将来を嘱望されてきた西京が序列をひっくり返すのか。小澤にとってはリスキーで、だからこそ興味深い闘いだ。
文・橋本宗洋