東京築地の国立がんセンター、今や100万人といわれる日本のがん患者たちは一体どのような思いで、病院の出口を後にするのだろうか。その心境に触れようと待っていると、一人の女性と出会った。
 「最初は、駅までの道を泣きながら歩いた」。乳がんステージ4、余命宣告まで受けていた。
 「医師の言葉が強すぎて、受け止めるのが精一杯で。会計が終わってからホッとした瞬間にどっと涙が出た。治療法がないとハッキリ言われた」。