4月9日、新日本プロレスの両国国技館大会、そのメインイベントで行なわれたIWGPヘビー級選手権は、今回も凄まじい激闘になった。
1月に東京ドームでケニー・オメガ、2月に札幌で鈴木みのるを、ともにロングマッチの末に下しているチャンピオンのオカダ・カズチカ。対する挑戦者は、トーナメント「NEW JAPAN CUP」を制して挑戦権を得た柴田勝頼だ。
柴田は対戦が決まると、オカダを「ゆとり」と挑発。若いオカダがいなかった時代の新日本、激しい闘いをぶつけていくとアピールしていた。
試合は30分を超える長期戦に。柴田はエルボー、蹴りを数え切れないほど打ち込んでいった。オカダもドロップキックで起死回生、さらに必殺のレインメーカーを狙っていくが、ここでも柴田は蹴りを連打してペースを譲らない。
さらに柴田は、レインメーカーを食らっても立ったまま耐え、卍固め、グラウンドコブラというアントニオ猪木を思わせる技も。そしてフィニッシュのPKを狙った柴田に、オカダは腕を掴むと切り返しのレインメーカーをヒットさせる。
オカダはさらに2発のレインメーカーを決め、ついにスリーカウント。38分もの激闘を制したオカダは、まさに名王者と呼ぶにふさわしい存在になったといえるだろう。
だが、この両国大会はここでは終わらなかった。試合後、ダメージが色濃く残るオカダをバッドラック・ファレが急襲。得意技のバッドラックフォールでオカダをKOし、挑戦表明してみせた。
4度目のタイトル防衛を果たしたオカダだが、試合後に屈辱を味わう形に。大会を締めるマイクも、インタビュースペースでのコメントもなし。
こうなると、オカダがベルトをかけてファレと対戦するのは避けられない流れ。チャンピオンとして、屈辱を晴らす必要がある。
実際、ファレは昨年のG1クライマックスでオカダを下しており、NEW JAPAN CUPでも準優勝。王座挑戦の資格は充分にある。IWGPヘビー級戦線は、次なるドラマに突入することになった。
(C) New Japan Pro-Wrestling Co.,Ltd. All right reserved.