オカダ・カズチカの防衛ロードばかりがクローズアップされ、ここ最近の内藤哲也はえらくご立腹だ。テーマ不在、しかも4月9日の両国体育館での春一大イベント「SAKURA GENESIS 2017」では自らの保持するIWGPインターコンチネンタルのタイトル防衛戦はなく、内藤が提案したタイガーマスクWとのタイトル戦も却下。4月29日別府大会で、やっと挑戦者がジュース・ロビンソンに決定した。
このマッチメイクに内藤は不満のようだ。今年の1.4東京ドームでのNEVER無差別級6人タッグ王座戦からフツフツと湧き上がり続けている、タグチ・ジャパンとロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの抗争の延長線上にある代理戦争と見る向きが多いだろう。しかしこの2人、意外にも浅からぬ因縁がある。ジュースの新日本でのデビュー戦から数戦、タッグパートナーは内藤哲也だった。しかも僅か1年数ヶ月前の出来事なのだ。
2015年9月4日東京・後楽園ホール大会。ジュースは内藤哲也、飯伏幸太と組んで、タイガーマスク、柴田勝頼、真壁刀義組と対戦。この試合でも正規軍の中で不穏行動を繰り返していた内藤は、やる気があるのか無いのかすでに制御不能のフラグがこの時点で立ちまくるファイトを連発し試合に敗れている。
続く9月20日の豊橋大会、22日の愛媛宇和島大会でも、この2人がタッグを組んでいるが、この時もなかなかリングインしなかったり、突如試合に介入したりと、謎行動を続けた内藤。困惑し苛立つジュースに試合中に内藤が蹴りをかますという場面があったりと散々な内容で、内藤とジュースが絡んだ試合は全て見殺しにされたジュースが3カウント奪われ負けがついている。
新天地で苦労するジュースに全くサポートにならなかった内藤、その後も何度となく内藤に駆逐されて来たが、先日の両国大会で遂にタッグマッチながら内藤から、パルプフリクションで3カウント奪うことに成功。直接対決でやっとあの時の恨みを晴らす舞台が整った状況だ。
今となってはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン発足前夜に全て繋がる話しだが、この2人の全く噛み合わない出会いがここへ来て再燃して来たことには何らかの意味があると思う。
タグチジャパンで着実に力をつけて内藤に挑む、ジュース・ロビンソン。このシングルの後はどのような結末が待ち受けているのか?
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