内藤といえば、ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を率いる存在として、いまや新日本でも一番人気。スポーツ総合誌Numberで展開中の「Numberプロレス総選挙」の中間発表でも1位にランクされるほど、ファンの支持を集めている。
この1年といえば、その内藤の魅力が爆発し、ファンに受け入れられるようになった“内藤ヒストリー”において最重要な時期だ。
2015年からジワジワと“制御不能”な個性を打ち出し、変化を印象づけてきた内藤。2016年の1.4東京ドーム大会では後藤洋央紀と対戦し、大きな存在感を残している。
さらにトーナメント「NEW JAPAN CUP」を制して4月の両国国技館大会でオカダ・カズチカの持つIWGPヘビー級王座に挑戦した際には、ファンが完全に内藤を後押し。もともとの確かな実力に加え、会社批判さえしてみせる毒舌ぶり、その自由奔放さが、主力選手が離脱した新日本に新風を巻き起こしたのだ。
このオカダ戦、内藤側の介入、乱入があったものの、それでもファンは内藤に声援。その空気感も含め、新日本の歴史に残る闘いとなった。
チャンピオンになっても、タイトルより自分の方が価値が上だとベルトを放り投げてしまう内藤。石井智宏との対決では肉体の限界を超えるような激闘を展開し、さらにオカダとの再戦もハイレベルな闘いに。新日本のトップで活躍できるのは、キャラクターだけではなく確かな実力があるからこそだ。
夏のG1クライマックスでは優勝を逃したが、ケニー・オメガ戦がシリーズのベストバウトに挙げられるほど高い評価を得ており、内藤の勢いはまったくとどまるところを知らなかった。
秋にはマイケル・エルガンのIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦。かつて中邑真輔が巻き、個性派の象徴とも言える“白いベルト”の王者として、内藤の存在はますます大きなものになっていった。
そして今年の1.4ドームでは、棚橋弘至と対戦。かつて憧れた先輩と、新日本プロレス最高の大舞台での対決だ。内藤の人気、存在感はついにここまできた、と言ってもいい記念碑的な闘いである。
高い身体能力、テクニック、試合運び、さらには試合後の言葉まで。その制御不能な魅力を、ぶっ続けで堪能したい。
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