4月22日、国立代々木競技場第二体育館で開催されるK-1 WORLD GP JAPANは、今回もチケット完売となった。
超満員のファンが見守る中で行なわれるのは、スーパー・バンタム級(55kg)の王座決定トーナメント。初代王者・武尊の返上にともない、第2代王者を決める闘いが繰り広げられる。
(スーパー・バンタム級トーナメントに出場する選手たち)
出場選手中、最年長なのが36歳の寺戸伸近。Krushの -55kgチャンピオンだ。これまで5本のベルトを獲得している寺戸は、K-1のベルトを「俺が6本目に巻くにふさわしい」と表現。ベテランとして若い選手にはないものを持っていると語る一方、「アグレッシブさでも負けてない」とも。
寺戸はKrush -53kg王者である武居由樹と決勝で対戦すると予想。そんな寺戸をマークしているのが石田圭祐だ。「寺戸選手はKrushでも自分と同じ階級のチャンピオン。K-1という最高の舞台で恥をかかせたい」と下克上を狙う。
そんな中、久々のカムバックとなる久保賢司は「ここにいる全員ぶっ潰す準備ができた。自分がなぜオファーされたか。それはこいつら(他の選手)じゃダメだから」と周囲を挑発。
こうなると日本人をめぐる闘い、日本人同士の決勝戦に期待したくなるが、そのためにはまず、1回戦で外国人選手に勝つ必要がある。
しかも外国人選手も強豪揃い。1回戦で石田と対戦するチャールズ・ボンジョバーニは武尊からダウンを奪ったこともある。今回は地元フランスから両親が応援に来ており、それだけK-1王座獲得への思いが強いということだろう。
武尊に続いて日本人王者の誕生なるか。決勝戦での日本人対決はあるか。計量級なから、K-1らしい「倒せる」選手が多いだけに激闘必至。となると負傷も避けられないだけに、予断を許さないトーナメントになるだろう。
(ゲーオvs山崎はベルトをかけての再戦となる)
また今大会では、王者ゲーオ・ウィラサクレックに山崎秀晃が挑むK-1スーパー・ライト級タイトルマッチも。新生K-1の第1回大会で行なわれた王座決定トーナメント、その1回戦のリマッチだ。
「新生K-1は自分が優勝して始まりました。今回も自分が勝って一つの区切りにしたい」と語ったゲーオ。試合に向けては「全力を尽くすだけ。自分のスタイルで闘うだけです」と落ち着いた表情を見せた。
対する山崎は、ゲーオとの対戦で負傷、長期欠場に追い込まれたこもがある。また昨年11月に予定されていたタイトル戦はゲーオの欠場によりキャンセル。紆余曲折を経てのリマッチ実現になる。
ケガを乗り越えてここまできただけに「応援してくれる人、仲間、家族、すべてに感謝してリングに立ちます」と山崎。作戦は「中入ってドン」だという。
つまりゲーオの間合い、ムエタイ特有のリズムと距離感を潰し、インファイトに持ち込んでの一発KOだ。
代々木第二体育館は改装に入るため、K-1開催も今回で一区切り。6月からはさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナに進出する。
区切りの大会で、第1回大会と同じカードが組まれたのもドラマチック。劇的な決着となるか、要注目だ。
文・橋本宗洋