去年4月、熊本県を襲った震度7の地震により大きな被害を受けた熊本城。あれから1年が経過し、天守閣に鉄骨が入るなど、修復に向けた工事が本格化している。その一方、熊本城のすぐ南側にある"城下町"、「新町・古町エリア」が大きな岐路に立たされている。
 400年前、加藤清正が熊本城築城と同時に作った熊本城の武家屋敷と町人屋敷が混在する全国でも珍しい町で、明治10年の西南戦争で町はほとんど焼失したものの復興、戦前までは熊本経済の中心的役割を果たしてきた。現在でも100年以上の歴史ある町屋が点在していたが、今、それらが消滅の危機にあるのだ。「新町古町復興プロジェクト」の調べによると、地震前には382軒あった町屋が、地震で75軒が消滅し、今もなお減り続けているという。