現在のプロレス界で最も幅広く活躍しているレスラーの一人が、木高イサミだ。デスマッチ、ハードコアマッチで大流血戦を展開したかと思えば、正攻法の試合で高度なテクニックを見せることも。女子選手とのタッグや対戦も難なくこなす。プロレスの楽しさを体現する選手だと言っていい。

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(BASARA代表の木高イサミ。4.29後楽園では岡林戦を含め2試合行なう)

そんなイサミが、昨年旗揚げしたのがプロレスリングBASARA。DDTグループのブランドだが、“本隊”とは一線を引いて活動してきた。昨年12月25日には後楽園ホールに初進出。そして4月29日には、2度目の後楽園大会を開催する。

前回はファンに「クリスマスの夜にプロレス見てたらヒマでモテないと思われる」という心理が働いてしまったのか、惜しくも満員にはならず。ゴールデンウィークの今回こそ、という思いは選手、スタッフに共通しているはずだ。

この後楽園大会で、イサミは中野貴人のデビュー戦の相手を務める。新人の門出を代表自ら祝いつつ、プロの厳しさを叩き込もうというわけだ。だがそれだけではあきたらず、イサミvs岡林裕二も決定。

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(4.29後楽園でユニオンMAX王座を争うリュウイチ(右)と中津。リュウイチはあくまでネバダ生まれのアメリカ人だと主張)

岡林といえば大日本プロレスのトップ選手で、マット界屈指のパワーファイター。関本大介とのタッグでは全日本プロレス世界タッグ王座を獲得したことも。

イサミとは初対決だけに、これはかなりの好カード。イサミにとってもBASARAにとっても大勝負だ。だがイサミは、4月26日の記者会見で岡林の弱点を頭脳だと断言。

「前に年賀状もらったことがあるんですけど、使ってるのが得意技のアルゼンチン・バックブリーカーをかけてる写真で。やられてるのが俺なんですよ。それを俺に送ります? バカでしょ。あ、いや、バカって悪口にならない表現でいうと何ですかね……」

大一番を前にした会見がこの調子なのもBASARAらしいといえばらしい。団体名のとおり、BASARAはプロレス界の傾奇者である。真面目なコメントなど普通な奴らに任せておけばいいというのがBASARAスタイルだ。

傾奇者であり、同時にイサミ曰く「男子校の運動部」というコンセプトも持つBASARA。すなわちどこまでもバカバカしく、派手で、自由だ。女子の目を気にしない世界とも言える。イサミが代表として所属選手に何かを強制することもない。

結果、BASARAではトランザム★ヒロシをプレジデントとするアメリカンレスラー集団・トランザム軍が増殖。ヒロシは福田洋が改名した選手なのだがアメリカ人だと言ってはばからず、コメントはすべてカタカナ英語。トランザム★リュウイチも、大日本で活躍する河上隆一に見た目はそっくりだが「Who is カワカミ?」。

あげく4.29後楽園では、トランザム★タナカなる選手までが「初来日」することに。その正体は田中稔ではないかとも言われているが、ヒロシによればまったくの無関係。ただトランザム★タナカは「20年選手」であり、腕ひしぎ十字固めを得意とする「ベリー・バトラーツ」なレスラーだという。

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(ハードコアマッチ、さらにはリング上での裁判(?)と試合形式も自由そのもの)

ちなみに現在、シングル王座であるユニオンMAXを保持しているのはリュウイチ。4.29後楽園では、新人時代からユニオンMAXのベルトに強い思い入れを抱いてきたという中津良太が挑戦する。

大事な後楽園大会でトランザム★リュウイチがタイトルマッチ。いくらなんでもと思われそうだが、実際に見てみると楽しいことこの上ないのがイサミ率いるBASARAワールドだ。真面目な大人が怒りそうなことをやってこその傾奇者である。

文・橋本宗洋

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