いよいよ、新日本プロレス・九州最大のビッグイベントである「レスリングどんたく2017」(5月3日、福岡国際センター)が近づいてきた。
メインイベントはIWGPヘビー級選手権試合、オカダ・カズチカvsバッドラック・ファレ。4月の両国大会で、試合後のオカダをファレが襲撃したことから因縁が生まれ、対戦が決まったもの。
とはいえ、ファレは昨年のG1クライマックスでオカダに勝利。なおかつ今年の「NEW JAPAN CUP」トーナメントでは準優勝と充分な実績を残している。そのことは他ならぬオカダも認めており、今回のタイトル戦は、最強のチャレンジャーを迎えての闘いだと言っていいだろう。
両者は対戦が決まると、立て続けにタッグマッチによる前哨戦で闘っているが、ここで優位に立っているのがファレだ。
4.22後楽園、ケニー・オメガと組んだファレがオカダを直接フォール。フィニッシュとなったのはツームストン・パイルドライバーだった。翌23日の後楽園は、オカダがファレのグラネードでダウンしている間にオカダ組の敗戦が決まった。
4.27広島大会もファレが勝利。YOSHI-HASHIをツームストン・パイルドライバーで下している。4.29大分大会ではオカダがチェーズ・オーエンズに勝利したものの、試合後にはファレに痛めつけられた。
一連の前哨戦の中で猛威を振るっているのは、ファレのツームストン・パイルドライバー。193cmの長身から繰り出されるだけに落差、衝撃は凄まじい。しかも、もともとこの技はオカダが得意としているものだけに、挑発という意味もある。当然、オカダも直接対決ではこの技を決めると予告。そこから必殺のレインメーカーにつなげるつもりだ。
プリンス・デヴィッド、AJスタイルズ、ケニー・オメガを支え、外国勢のナンバー2だったファレが、ついにIWGPヘビー級のベルトを巻いてトップに立つのか。しかし現在のオカダも、レスラーとしてかつてないほどの充実期にあることは間違いない。
そのことは、今年、タイトル戦で下した相手を見ても分かる。フィジカル、テクニックに加えハードコア殺法も使いこなすケニー。達人的なサブミッションの使い手にして乱入上等な鈴木みのる。真っ向からの打撃戦を得意とする柴田勝頼。ノンタイトル戦では、華麗な空中殺法と狂気性を合わせ持つタイガーマスクWとも対戦した。そして、そのすべてが名勝負だったのである。
今回、規格外のパワーを持つ巨漢ファレを下せば“超万能型王者オカダ”の名声はさらに高まることになる。この一戦、因縁対決というだけでなく、現時点でのプロレス界の最高峰が見られるものだとも言えるだろう。
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