現在、新日本プロレスでは“制御不能”内藤哲也が話題・人気面をリードしている感がある。会社批判さえ厭わない、歯に衣着せぬ言動もファンに支持されているのだ。しかし、IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカがとてつもない試合を続けていることも見逃せない。
1月のケニー・オメガ戦、2月の鈴木みのる戦、4月の柴田勝頼戦と、IWGP王座防衛戦はことごとく死闘。長時間にわたる闘いで相手の持ち味を出し尽くさせ、猛攻に耐え切った上で勝っているのだから、その王者ぶりは見事としか言い様がない。5月3日の福岡大会では、バッドラック・ファレの巨体をジャーマンで投げ、そこからレインメーカーで勝利して防衛を果たした。
タイトルマッチ以外でも、オカダのシングル戦はハズレなしだ。3月6日、旗揚げ45周年記念の大田区総合体育館大会では、ノンタイトルでタイガーマスクWと対戦。
アニメとのコラボレーションで登場したWだが、その実力は疑いようがない。このオカダ戦でも三角飛びケブラーダをはじめとする空中殺法を全開、さらにシットダウン式ラストライド、雪崩式タイガードライバーまで見せる。お互い感情むき出しになり、顔面蹴りを繰り出し合う場面も。
そうした熱い攻防を経て、最後の最後に決まったのが必殺のレインメーカー。しかもカウンター、至近距離バージョン、ジャーマンからとさまざまなバリエーションを見せた。旗揚げ記念の、一歩間違えば“企画ありき”な試合さえ名勝負にしてしまえるのが今のオカダ(タイガーマスクWもだが)の実力。まさに「ルェベルが違う」状態にあることは間違いない。