(前編からの続き)当時アメリカに無かった"甘辛い味付け"で一大旋風を巻き起こした「ヨシダソース」。その発明の親が吉田潤喜氏だ。19歳で単身渡米し、空手道場を開き、一時は200人の生徒を抱えるも、不況で苦境に立たされる。その後クリスマスのお返しのプレゼントでたまたま作った実家のソースが生徒に大人気となり、いよいよ自らソースの販売に乗り出すことになった。
ソースを売るために吉田が行ったのが実演販売だった。自ら店頭に立ち、ソースの購入を呼びかけた。しかし、もともと空手で生計を立てていた身である上、当時のアメリカでは店頭販売自体に馴染みがなかった。試食してもらうところまでこぎつければ、絶対に買わせる自信はあったにもかかわらず誰も手に取ってくれない。