羽生善治三冠(46)が、デビュー以来無傷の18連勝を達成している藤井聡太四段(14)の今後を予想した。東京都渋谷区の将棋会館で取材に応じると「だれが来てそう簡単に負けない」と、非公式戦ながら2度対戦した経験から、現状の実力を評価した。
自身も中学生でプロデビューして以来、数々の棋士と対局を重ねてきた羽生三冠だけに、AbemaTVの「炎の七番勝負」を含め、非公式戦で2度体験した藤井四段の指し手に見えるものがあった。「だれが来てもそう簡単に負けない将棋を指している。彼は関西ですが、若手の上位陣と戦った時にどうなるか、すごく楽しみですよね」と目を細めた。
10代でのタイトル獲得にも、十分に可能性を感じている。「私が(中学生時代に)やっていた時より、全体的な層は厚くなっています。そこを勝ち上がっていくのは大変ですが、将棋はすごくいい内容。(タイトルを取る)チャンスは来るのではと思います。10代といっても、まだ5年もありますからね(笑)これから伸びる時期でしょうし」と、早熟タイプではなく、これからまだまだ伸びる可能性も感じていた。
もちろん将棋界の第一人者として、高い壁として立ちはだかる意欲は十分だ。「最近の将棋は、昔の経験が生きないですね。そこが一番悩ましい。将棋がどんどん変わっていくので。現代の将棋に、自分なりにチューニングしていかないといけない」と、自らも進化を求めている。
新たな天才の出現は、数々の偉業を達成した羽生三冠が、さらに進化するための刺激にもなっているようだ。
(C)AbemaTV