新日本プロレスのJr.ヘビー級リーグ戦『BEST OF THE SUPER Jr.』は開幕から2週目を迎え、連日、各地で熱戦が続いている。後楽園ホールでの開幕2連戦では、前年王者のウィル・オスプレイ、IWGP王者高橋ヒロムが敗れる波乱。またオスプレイは昨年も規格外の空中戦を展開したリコシェと激闘を展開し、観客を熱狂させた。
5月22日の後楽園ホール大会では、KUSHIDAが新技バックトゥザフューチャーを決めてBUSHIに勝利。開幕から2連敗を喫していたKUSHIDAだったが、初勝利を挙げたここから勢いに乗りたいところだ。逆にBUSHIは3連敗と厳しい結果になっている。
リーグ戦序盤を見てみると、好調なのが鈴木軍の面々だ。TAKAみちのくは1勝2敗となっているが、デスペラードは3連勝、金丸義信とタイチは2勝1敗と好調なスタートを切っている。ちなみにTAKAの2敗のうち1つは、タイチ戦でのもの。この鈴木軍対決は頭脳とテクニックを駆使して高い評価を得た。
やはり『SUPER Jr.』は、Jr.ヘビー級の選手たちにとって最大の舞台。誰もが力を発揮してくるし、KUSHIDAのように「もうこれ以上は負けられない」という場面で新技を投入してくる選手もいる。
そんな中で、出場選手全員から厳しくマークされるのがIWGP Jr.ヘビー級王者の宿命だろう。過去の『SUPER Jr.』には若手としての登場だった高橋ヒロムだが、凱旋帰国を果たし、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン入りすると一気にJr.のトップへ。チャンピオンにもなり、このリーグ戦も「波乱なく全勝優勝する」と宣言していた。
ところが、いざ始まってみれば開幕戦でライバルのドラゴン・リーに敗北。獣神サンダー・ライガーには勝利したものの、リコシェにも敗れて1勝2敗と黒星先行に。勝ち点2はAブロック最下位タイという状況だ。
5.22後楽園のバックステージでは、この状況に追い討ちをかけるようにタイチ(5.23栃木で対戦)が挑発。黒いショートタイツを見せ、若手時代に戻ってリングに上がれと要求している。
開幕前の記者会見でも、タイチは「新弟子の頃、俺にいじめられて泣かされてよ」と、ヒロムの出世ぶりを揶揄していた。この“精神攻撃”でヒロムは動揺したのか、それとも怒りに火をつけたのか。王者としての闘いを見せるにふさわしいとも言えるシチュエーションだけに、ここからがヒロムの底力の見せどころとなりそうだ。
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