こんにちは。青木真也です。シンガポールで消耗気味です。26日の試合(『ONE CHAMPIONSHIP : DYNASTY OF HEROES』/VSゲイリー・トノン)に向けて、順調に調整しています。海外で一人、孤独に押し潰されそうになりながらやっております。
この海外での孤独感、試合に向けた孤独感を分かってほしいのが本音なのだけども、分かってくれる人はほとんどいないのが現実です。分かって貰えるとは思っていないのだけども、分かってくれたら嬉しいって話しです。淡い期待を持つのが人間というもの。
シンガポールでは良い練習ができています。新しい技術はもちろんのこと、良い練習相手に恵まれてやっています。34歳という年齢もあって、肉体的には厳しく感じるときもあるのですが、今が頑張りときだと踏ん張っています。この踏ん張りができなくなったら、お金を貰って闘う資格はないのだろうし、闘う気力も湧いてこないのでしょう。稽古ができなくなったら廃業が僕の持論です。闘えるかどうかの問題ではなく、稽古ができなくなったら終わりです。
こちらではトップ選手に囲まれてやっています。プロ選手となると皆、運動能力が高いと思われると思うのですが、そうでもありません。運動能力がそれほど高くないけども、強い選手もいます。僕も運動能力自体は高くないです。知識、経験、技術でやりくりしています。だからこそ、日々の練習が大切でこうして海外で練習することが大事になっています。センスや才能がなかったら積み重ねしかないのです。圧倒的な努力ができたのならば、一定のレベルまでは到達できるのでしょう。
試合に向けて――僕は格闘技が好きで勝負が好きです。だから、何が何でも勝ちたいです。ここまでの気持ち、勝負への執念、怨念など全てのものをぶつけて勝ちたい。僕はずっと勝負師でいたいのです。勝負から逃げたくない。僕は勝ちにいきます。勝ちを取りに行きます。
シンガポールでの生活を書きます。シンガポールではジムで借りてくれているアパートの一室をお借りしています。HDBという団地の中で4人でシェアして暮らしてます。シンガポールではシェア暮らしは割とメジャーです。家賃が高い国だから自然の流れです。
僕が住んでいるアパートの下にはホーカーセンター(屋台)があったりして、シンガポールのローカルな暮らしに近いのだと思います。そこで「シンガポールでキャンプするなんていいよねー」と言われると観光と実際の生活は違うからなと毎回、思うのです。
毎日、シンガポールのご飯食べたら飽きるし、栄養バランスも微妙。中華系の国で急激に成長している国なので、マナーの部分では色々と危うい部分も多い。あげていったらキリがないほどに、違和感を感じることは多いです。
やっぱり観光で見るのと、実際に生活するのでは違うのです。やっぱり、海外に出て見れば見るほどに日本が素晴らしいなって思ってしまうのですよね。日本は衣食住も交通も医療も何から何まで素晴らしい。高い税金払う意味はそれなりにあるよなって納得してしまうほどです。
でもどの国が上か下かという話しではなく、自分が好きな国や文化がいいのだと思います。シンガポール人からしたらシンガポールがいいのだろうとも思いますし、日本人からしたら日本がいいのです。僕にとっての海外は日本のよさを教えてくれる場所であります。仕事だって日本で同じ仕事があれば日本でやります。外貨を稼ぎに外に出ているのであって、外国のほうがいいというわけではないのです。日本って素晴らしいよなあ。今日も変わらずでホーカーのおじちゃん、スーパーのおばちゃんの対応は粗雑。この怒りを試合にぶつけよう。
応援よろしくお願いします。
文/青木真也(格闘家)
【修正】文中に「AbemaTVでの放送」とありましたが、放送の予定はございません。大変申し訳ございません。