新日本プロレス、Jr.ヘビー級のリーグ戦『BEST OF THE SUPER Jr.』が、いよいよクライマックスを迎えようとしている。
開幕戦でIWGP Jr.ヘビー級王者の高橋ヒロム、前年優勝者のウィル・オスプレイが敗れる波乱でスタートした、今年の『SUPER Jr.』。残すはAブロック、Bブロックともに1試合ずつとなった。
この段階であれば、決勝進出者候補がある程度は絞られてくるのが普通なのだが、世界各国からさまざまなスタイルの強豪たちが集ってきた今回は凄まじい大混戦。Aブロックではリコシェ、ドラゴン・リー、オスプレイ、タイチ、ヒロムの5人が勝ち点8で並んでいる状況。
5.31大阪大会でのヒロムvsオスプレイ、リコシェvsマーティ・スカル、リーvsTAKAみちのく、獣神サンダー・ライガーvsタイチの結果ですべてが決まる。特にIWGP王者vsディフェンディング・チャンピオンであるヒロムvsオスプレイには大注目。また今回が最後の『SUPER Jr.』出場となるレジェンド、ライガーの初白星にも期待したい。
一方のBブロックは、5月29日の後楽園ホール大会を終えて出場8選手全員が3勝3敗、勝ち点6。いかに実力が拮抗しているかがポイントにも表れている。リーグ最終戦、6月1日の名古屋大会で組まれているのはタイガーマスクvsBUSHI、田口隆祐vsACH、KUSHIDAvsボラドールジュニア、金丸義信vsエル・デスペラードの4試合。それぞれの勝者も勝ち点8で並ぶだけに、まさに混沌とした状況だ。勝敗、リーグトップ争いとも、あらゆる可能性があると見ていい。
実績、勢いで考えると、現王者のヒロムが底力を発揮してくる可能性は充分。開幕前は全勝優勝を宣言し、その後の展望、Jr.の地位向上まで見据えているというチャンピオンの存在はやはり気になる。とはいえ最終戦の相手であるオスプレイが勝っても不思議はない。
またBブロックでは、復活を期す前王者・KUSHIDAが波に乗ってきているが、『タグチジャパン』人気で声援という後押しもある田口も怖い存在。ベテラン・金丸も昨年の多団体トーナメント『スーパーJカップ』で準優勝しており、ここで“新日本制圧”を果たしたい。その金丸が最終戦でデスペラードと鈴木軍対決というのも、混沌に拍車をかけている。
トップ選手が勝ち上がるのか、それとも意外な選手がのし上がるか。最後に足元をすくわれるという危険性も、もちろんある。しかしここまでの闘いの熱気を知っているファンなら、どんな結果になったとしても満足できるのではないだろうか。
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