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■出会い系バーで出会った女性「多い人は数万円稼ぐ人もいるよ」

 前川喜平・前文科事務次官が、女性の貧困問題の実地調査として通っていたと発言、大きな話題を呼んでいる「出会い系バー」。

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 男性客が入場料を支払って入店するシステムで、女性客は無料だ。男性は気に入った女性がいれば、店員を通じて「相席」することができ、トークが成立すれば店に「外出料」を払い、デートに行くことも出来る。今回取材班は、とある出会い系バーに潜入取材を試みた。

 入会金2000円と入場料2000円を払って薄暗い店内に入ると、先客は男性6人と女性3人。その中にいた、20代中盤と思しき黒髪の女性に話を聞いた。

 「こんにちは」「お店にはよく来るの?」「4、5回目」「なんでお店に来るの?」「短時間でお金を稼げるから」「どうやったらお金をもらえるの」「ご飯に連れてってもらったら5000円。売春する人もいるし、多い人は数万円稼ぐ人もいるよ」

 彼女との会話から、暇な時間を使い、短時間で稼げるということを理由に来店している女性も多いことが分かった。

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 さらに、最近若者の間で話題になっているのが「相席居酒屋」だ。別々の見知らぬ男女たちが合コンのように一緒に食事する、というシステムで、こちらも基本的には女性は飲食無料だ。「出会い系バー」同様、キャバクラよりも安い飲食代で出会いもあると、期待感もあって訪れる人もいるようだ。

 このような業態は実質的に売春の斡旋につながるのではないかとの疑問もあるが、ジャーナリストの石原行雄氏は「表向きは飲食店として場所を提供しているだけで、客が勝手に入って勝手に話して、勝手に一緒に出て行っただけとなる」と話す。

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 慶應大学特任准教授の若新雄純氏は「風俗店の場合、性病の対策など、事業主が働く女性たちの健康管理をしっかりする必要があるが、こうした業態の場合は"その後は勝手にどうぞ、幾らで何をするかは知ったこっちゃない"という状態。店外でのことなので避妊の管理もできず、性病の診察の案内も受けられない。女性たちがビジネスのリソースになっているのに、結果的に粗雑な扱いをしていると言っていい」と批判する。

■出会い系アプリで稼ぐ女性「プロっぽくない人がいいって、みんな言います」

 "出会い系"の世界はスマホにも広がっている。2、3年ほど前からスマホの出会い系アプリで男性と会い、お金をもらっているという女性(29)に話を聞いた。美容関係の仕事の収入は手取り18万円で、家賃7万円に加え、生活費・学費を払わなければならず、生活は苦しいという。

 「働きながら学生をしているので、サポートしてくれる人が出会い系でいると生活しやすい」。

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 彼女が利用しているのは、webサイトとアプリでおよそ1000万人が登録しているというサービス。登録者の男女比は6:4で、女性の利用は無料だという。運営会社は「20代の若い方を中心に増えている。最近は女性の方の登録も非常に多くなっている状況」と話す。

 彼女が出会い系でやり取りをしているのは、20代後半から40代前半の5人の男性。「プロっぽくない人がいいって、みんな言います。あまり素の自分を見せない、ビジネスでやっているプロフェッショナルの人は引いちゃうみたいで」。

 男性とのメッセージでは、ストレートにお金についてのやり取りが行われている。「食事で8000円。カラオケでちょっと密着して歌って1万円。オトナの関係になると3万円から5万円くれたりする」。

 メリットは、金銭だけではないのだという。「ぶっちゃけられるというか隠し事をしないというか。知っている人だと言えないことも言える。自分を安売りしているとは思わない。認めてくれる男の人としか関係を築かないとポジティブに考えています」と言い切った。

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 風俗ライター研究所のよしお氏は「素人売春は増えていると思います。風俗店で働く場合、どうしても顔出しをしなければいけないし、公式サイトでブログを書かなければならないといった縛りもある。若い子にとっては束縛がないが気軽にお金を稼げる」と話す。

■「男性は自分の能力が認められたような幻想が味わえる」

 警察庁生活安全局の調査によると、風俗営業の許可届け出数は年々減少傾向にある。また、風営法の改正に伴い、各都道府県の条例で一部地域を除きソープランドの営業は全面禁止となった。東京都の場合、いわゆる"吉原エリア"以外は禁止で、その他の地域は風営法の改正前から営業している店舗のみ許されている。つまり、ソープランドの新規開業は事実上不可能になっているのだ。

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 全国で風俗店が減少する中、広がりを見せている素人ビジネス。こうした業態が広がってきたのには、プロを相手にできる風俗店に行くよりも、"素人"との出会いや性行為を求める人が増えているからなのだろうか。

 街の男性たちに聞いてみると、「プロ(風俗店)だと思います。そっちの方が楽しそうだし、気持ち良さそうだし」という声がある一方で、「素人。時間が無制限にある」「プロ相手にとは思わない」と、やはり風俗店に行く人よりも、素人女性を推す声が多かった。

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 石原氏は「あらゆる職業はキャリアを積んで腕を上げるほど価値が高くなり、ギャランティも上がる、しかし、高級店と言われるソープランドの場合、経験や技術に対してお客さんがつくということもあるが、一般的に性産業に従事している女性に関しては、未熟であればあるほど価値が高くなる傾向がある」と指摘、「たとえ偽装的な素人であろうとも、出会い系のお店に行ってホテルに連れていくことができれば、男性は自分の能力が認められたような幻想が味わえる」と話す。

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 また、「無店舗型営業として増加したデリヘルでは過当競争になっていて、少し歳のいった女性は1万円で最後までやらせてしまうという場合もある。しかし、出会い系バーに行って"たまたま来た素人ですよ"という形にすれば相場が2万円になる。プロの世界にいると厳しい目に晒されるが、素人という設定になった途端に、そうではなくなる」として、女性としても稼ぎやすくなる可能性が高いのだという。

■現役デリヘル嬢「出会い系利用には危険が潜んでいる」

 「プロっぽくなさを感じさせるお店も増えている」と、昨今の風潮に違和感を唱えるのが、"風俗通"として知られるお笑い芸人・ケンドーコバヤシだ。

 「出会い系バーなどは、"やり逃げ"被害を生んでしまうシステム。後ろめたい気持ちから自分が働いていることを周りには言えない女の子がいて、それを利用し"やり逃げ"出来ると足を運ぶ男がいて成り立っているビジネスだ。僕の友人でも"風俗に行くような男は恥だ。素人の女を口説いて抱け"と言うような奴がいる。でも、その風潮がねじれてこういう商売につながってしまっている面があると思う。結果として、風俗店を駆逐していった社会も悪いのではないか」と批判する。

 では、こうした現状について"プロ"はどう思っているのだろうか。

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 風俗嬢歴7年の現役デリヘル嬢・ラムさん(20代後半)は、素人になりすましてお金を稼いでいたこともあるという。「風俗嬢としてではなく一般人として電話(テレクラ)して2万円とかで」。

 しかし、今はプロとしてプライドを持って仕事をしているという。

 「(素人との違いは)経験。お店に入る時に講習を受けるし、毎日4、5人のお客さんを相手していると、男の人がどういう風にしたら喜ぶかとか分かってくる。本番なしで楽しませなきゃいけないんで」。

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 ラムさんは、女性たちの出会い系利用には危険が潜んでいると訴える。

 「やっぱり危ない人って結構いるんですよ。私も首を絞められて犯されそうになったり、酔っ払ったお客さんに”本番をやらせてくれ”と、上に覆い被さってきて殴られたりしたこともありました」。

 さらにラムさんは性病についてのリスクも避けられないと指摘、「本来はやっぱり好きな人とだけしたほうがいいと思います」と警鐘を鳴らした。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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