2014年、第二次安倍政権が水面下で一時検討したという公務継続案というものがある。これは、女性皇族に結婚後も公的な役割を与えて皇室の活動を継続するというものだ。皇室典範を改正せずに閣議決定で対応でき、女性天皇、女系天皇につながらないので、日本会議など保守派も賛同できるという。しかし、公務の担い手確保にはなるが、安定的な皇位継承の解決にはつながらないという指摘もある。
もう一つが、旧宮家皇籍復帰案だ。男系を維持するため、希望する旧宮家の皇籍復帰または養子をするものだ。1947年GHQによって廃止された旧宮家には男系男子が多くいるとされ、再び皇族に迎えて皇位を継いでもらおうという考えだ。しかし、2005年の有識者会議が、「離脱から70年。一般の家庭の下で育ち、皇族教育も受けない人が皇位継承権を持つことは国民の理解が得られない」として反対し、女性天皇、女系天皇を認めるように求める報告書を小泉内閣に提出した。