新日本プロレス、関西最大のビッグイベントとえる大阪城ホール大会(6月11日)が間近に迫ってきた。

この大会の注目カードの一つが、内藤哲也vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル選手権だ。IC王座をかけての内藤vs棚橋戦は、1.4東京ドーム大会でも行なわれ、内藤が勝利している。ドームという大舞台で勝ったことは、完全な世代交代を意味するものだと言えた。

その後もロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを率いて“制御不能”な活躍ぶりを見せてきた内藤。いまや新日本マットでも最高の人気を誇るレスラーとなった。

そんな内藤に、棚橋が再び挑戦表明。大阪でのタイトルマッチが決定したが、内藤はチャンピオンとしてこのマッチメイクに難色を示していた。棚橋の今年の実績を疑問視したためだ。

以前から、内藤は「会社は棚橋の言うことなら聞いてしまう」と不満を漏らしていた。そして、その本音ぶりが観客から支持されてきたのだ。

また、対戦が決まってから、棚橋が腕の負傷で欠場したことにも怒りを見せていた内藤。以前からベルトを放り投げるなど粗末に扱ってきたが、最近では鉄柱に叩きつける“破壊行為”も。これに激怒するレスラーもいた。

内藤がこうした行動に出たのは、棚橋戦決定の不満だけでなく、新日本がIWGPユナイテッド・ステーツ・ヘビー級王座を設立したことも原因となる。このタイトルは新日本のアメリカ大会開催に合わせて作られたものだが、もともとはIC王座も“海外向け”だった。

IC王者の内藤としてはベルトの意味が揺らぐことになるわけだ。しかもタイトルが増えれば、相対的な価値も下がる。「選手全員がベルトを巻くまでタイトルを作るのか?」と内藤。IC王座の封印すら目論んでいる。

そこに待ったをかけようというのが棚橋だ。これまで団体を守り、支えてきた絶対的存在は、6.3代々木大会のリングで内藤と対峙。「俺がベルトを救う」と宣言した。「内藤が“あっせんなよ”と(決め台詞を)言うのでゆっくり(怪我を)治した」、「内藤が言うには、俺の要求は会社に通る。俺のほうが制御不能ですよ」と内藤を皮肉るコメントも。

棚橋も認めるように、声援は互角か、内藤のほうが上という状態。しかし内藤と真っ向からやり合おうという棚橋には、強い決意も感じる。

単なるタイトル争いではなく、ベルトの意味をめぐる闘いとなった内藤vs棚橋。やはり大阪城ホール大会は“役者が揃った”感のあるイベントになりそうだ。

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