6月16日、ミャンマーの格闘技ラウェイの日本大会がTDCホールで開催された。
ラウェイとは、ムエタイに似た打撃格闘技だがグローブを着用せず素手(というよりバンデージでガチガチに固めた拳)で殴り合う過酷な闘い。ヒジ打ちはもちろん頭突きも認められる。そんな“過激格闘技”を日本に直輸入する形での大会は、これまで後楽園ホールで行われてきたが、今回初めてTDCホールと一回り大きな会場に進出を果たした。
本場ミャンマーの選手に加え日本人など外国人がラウェイに挑むのも大会の見どころ。第2試合には“ガールズ武道エンターテインメント”を標榜するイベント『SEI☆ZA』の選手であるユリア・ストリアレンコが出場している。
外国の女性が日本で共同生活を送りながら武道を学ぶ『SEI☆ZA』のエース格であるユリアは、ス・ライ・ウーとの一戦で迫力充分の打撃を披露。1ラウンドは相手に組み付かれて手こずる場面もあったが、落ち着いてヒザ蹴りを見せるなど対応力を発揮。
2ラウンドに左右のフックでダウンを奪い、最後も連打でKO。相手の戦意を完全に奪う、見事なノックアウト勝利だった。ラウェイ初陣を飾ったユリアに対し、今回が3戦目となる女子プロレスラー・高橋奈七永は大苦戦。序盤から積極的に前に出ていくものの、ブロニカの鋭いパンチを連続して被弾してしまう。
ブロニカは基本的にカウンタースタイルなのだが、パンチのスピードと的確さで高橋を完全に上回っており、高橋は何度かバランスを崩して転倒。ついにはクリーンヒットをもらってダウンを喫してしまう。
しかし、高橋は得意のバックヒジを繰り出したところから徐々に反撃開始。普通ならKOされていてもおかしくないほどのパンチをもらいながらも前に出てヒザ蹴り、さらに頭突きを見舞っていく。パンチで棒立ちになる場面もあったが最後まで反撃を続け、規定の3ラウンドが終了。判定なしのドローとなった。
大苦戦だった高橋だが、そんな中で見せた頭突きとヒザにはプロレスラーのタフさと意地がこもっていたとも言える。過酷なルールの闘いで苦戦したからこそ、精神性が際立ったと言えるかもしれない。ユリアと高橋は、今後もラウェイ日本大会に欠かせない存在となっていくだろう。