中東で劣勢が伝えられる過激派組織ISが、フィリピンで勢力を伸ばしていると報じられている。先月23日からはミンダナオ島のマラウィで政府軍とイスラム武装勢力との戦闘が始まり、ドゥテルテ大統領は「彼らがISの旗を掲げることは決して許されない。私はミンダナオ島の苦しみに終止符を打つ」と宣言した。
 軍と交戦する武装勢力は、ISに忠誠を示す「マウテグループ」という組織だ。マレーシア、インドネシア、サウジアラビア、イエメンなどの外国人戦闘員が参加しているとみられ、マラウィで育ったオマークハヤム・マウテとアブドゥラ・マウテの兄弟が指揮を執っているという。名家の出身だったというマウテ兄弟は、カレッジを卒業し中東に留学していた際、タリバン流の過激なイスラム神学に傾倒していったのだという。10年を経てミンダナオ島に帰国した兄弟はISに忠誠を誓い、地元の若者を先導して政府軍への攻撃を続けているというのだ。